鬱病だし、「別に僕が感想を書かなくてもな」って思ったので短く書く。(でも2時間かかった)
年配のご夫婦や父娘の男性の方が展示を見ながら説明していて、「お前の浅い解説は要らない」って思ったけど、僕が単に人間の声が嫌いなだけですね。
めんどくさいオタクは番付社会なので「俺はこの中で一番アニメに詳しい」って思って攻撃的になってしまう。良くない。
しかし、展覧会でどの程度の音量でしゃべっていいのかは難しい課題。
子どもがデカいガンダムを見てはしゃぐのは微笑ましいのだが、素人の雑な解説はイラっとする。
700円の音声ガイドの銀河万丈さんと水樹奈々さんは流石にプロなので声を聴いても不快ではない。小ネタも面白かった。
- 年代
敗戦後から年表が始まり、テレビ放送開始、新幹線開通など高度経済成長、そして国産テレビ週刊アニメとして鉄腕アトムと同時期に始まった鉄人28号。日本のアニメはロボットと共に。それはいいけど、鉄人28号の色んなバージョンが紹介されていて、「ゲッターロボも色んなバージョンがあるんだけどなあ」って思った。
ロボットアニメは滅茶苦茶たくさんあるので取捨選択と軽重が本当に難しい。
そしてマジンガーZや宇宙の戦士やガンダムなどを順調に紹介し、80年代の様々なデザインの変遷を経て、90年代にジャイアント・ロボとTHE-BIG-Oをもってして「デザインは70年代のスーパーロボットのような円筒や箱に回帰していく」として、〆で変わり種としてゲキ・ガンガー3とダイ・ガードを紹介して終わる。ガオガイガーもマジンガーZのようなものを復刻させたという扱い。
えっ、そこで終わるのか。
※追記
(むしろジャイアント・ロボやBIG-O は異色作だった気がするんだが…)
(「記憶喪失の街、パラダイムシティ」と説明もなく書いていいのか?
展覧会で観客の想定知識を設定するのは難しい。
全部説明するのは無理。
他の美術展示でもハプスブルグ家とか美術用語を説明もなく説明文に入れたりしている。)
そこから人は四半世紀くらい歴史を重ねているのだぞ。シリーズ物(マクロスとか)もデジタル環境になってものすごい複雑なデザインや変形とか出てきたけど。うーん。
「あなたが憧れた巨大ロボットが博物館に出現!」というのはやっぱりノスタルジーなのかなあ。
一応今も種映画とか(追記。ダイナゼノンとか)ロボットアニメは人気だし、小中学生がロボットアニメを全く見てないとは思わないのですが。
なんかなーーーーー。
やっぱりなーーーーーーーー。
80年代がロボットアニメの黄金期(それはある種の解釈として間違いではない)というおじさんのノスタルジーだと、まあ、その80年代のロボットのパロディのSDガンダムからオタクになったコミックボンボン世代としては、
「いや、ロボットアニメはそんなに古くないだろ。毎年色んな工夫をして企画してたし、今もそうだよ」って思う。
そもそも機動戦士ガンダムで「ロボットアニメはハイ・ティーンが見ても見ごたえがあるようになった」ってよく言われるけど、その、今のオタク市場や人口比率を見るとハイ・ティーンはめっちゃ若い。そういう人に訴求するなにかはあるはずというか、ガンダムでハイ・ティーンが見るようになったって言っても、僕自身40歳を越えたらハイ・ティーンなんか全然子供ですからね。ロボットアニメは子供番組です。
だって現実には強度的に無理なロボットが殴り合ったりするの、カッコよくて楽しいからだから。子どもっぽいワクワク感は大事だと思う。
でも、会場の広さとかもあるし、現実的にロボットアニメで呼べる客はノスタルジーなのかなあ…。(僕の中では機動戦士ガンダムは今でも最高ですが
※追記
でも、「70年代の日本にはまだ新しいものを生み出す気概があった」って、あたかも今の現在の日本では新しいものが生まれていないみたいなことを言うな!
みんな瞬間瞬間を必死に生きているんだ!
それを「高度経済成長の時代の方がよかった」なんて言うな!
CGとか通信とかゲノム解析とか新しい技術はまだある!
まあ、高度経済成長期は日本に開拓の余地というか電車や道路が通っていないところがたくさんあったので、それをやっていればなんでも新しいものになったんですが、今はそのインフラの劣化の新陳代謝をやりながら新しい技術も使っていくという段階になったと思う。
まあ、不況は不況だし、失政は失政だけど、ロボットアニメの展示で過去を懐かしむのは悲しい。
ロボットはやっぱり最新の科学でカッコよくてイケてるものであってほしい。(まあ、それは幻想なんだけど天才がスーパー素材を作ったらできるかもしれない!)
- 絵は良かった
オタクがよく言うやつ。「絵は良かった」
実寸大ガンダムが床一面に貼ってあるのとか、他にも実寸大のロボット(ライディーンとか超電磁系とかBIG-Oとファイブスター物語とかはくっそでかいので縮小してあります)の絵というかパネルというかが貼ってあって、そこはイマジネーションが刺激されてよかった。
メガゾーン23のガーランドはバイクとしては大きすぎるし乗り込むロボットとしては窮屈という感じがしたけど、あんまり80年代OVAは見てないので、動いたら馴染むのだろうか。
まあ、ビッグ・ボルフォッグの片腕になるバイクもあるし…。
やっぱりガンダムなんだけど。∀ガンダムのジョゼフ・ヨットがホワイトドールに対して「横にすると小さく感じる」って言ってたけど、ガンダムは大きかった。殴られたら死ぬなーって感じのディテールが少ない初期設定画のガンダムはマッシブで好きですね。装甲も分厚いし。
平面だから広くて大きく感じるけど、立体を横にしたら「電車の車両くらい」って思うのかもしれない。
ガンダムのアニメのセル画の並びを紹介するのは、アニメの作り方の説明としてはオタクはもう知ってるけど、「BOOKとか画面に見えない重なってる部分の素材残ってたんだ」という感動があった。
宮武一貴さんの大きな絵画も「反射したり面白い画材の使い方をしているなあ」という感動があった。
- リアリティとは
企画の要旨として「リアリティ」とそのための「メカニズム」と「大きさ」が主眼だったようだし、ガンダムから見てリアルではないと言われがちなマジンガーZの光子力研究所の仕組みとかパワーアップの段取りとか、そこら辺でリアルという風に説明されていた。
あと今回の展示のポスターにもなってるマジンガーZのアニメのエンディングで有名な透視内部メカなのですが。他にもコン・バトラーVとかも半身透視内部メカが展示されていた。描いた人のインタビューによるとほとんどウソらしいんですが。
ガンダムのメンテナンスハッチ開放プラモデルとか(これも公式設定とはいいがたいのだが)。
コン・バトラーVの合体シークエンスとかも紹介されていた。
特に展示で紹介文とかもなかったのだが、実写版イングラムの模型やジャッキアップの動画なども。あとトップをねらえ!や勇者シリーズ、エルドランシリーズの合体場面の動画とか。
業界に衝撃をもたらしたというエルガイムのムーバブルフレームとか。でもカイゼリンの骨格と並べて展示したら「エルガイムの頃のクリスはまだ絵があんまりうまくなかったな」って思った。まあ、エルガイムのムーバブルフレームは企画としてオモチャで再現可能な範囲のフレームなので。カイゼリンは8万8880円もしたのでまだ借金が残っている。まあ、僕が雑な生き方をしているせいだが。
で、まあ、色々と見て回ったところ、やっぱりアニメのリアリティは「既視感」だと思った。「コピペ感」というか。
まあ、よく考えてみたらすごく当り前の話なんですが。
巨大ロボットは油圧で動くには速すぎる上にデカすぎるけど、油圧シリンダーがあるとそれっぽい。ロボットの重要なエネルギーや伝達系のコードがむき出しだと弱点になるとして、ファイブスター物語のモーターヘッドからゴティックメードになる際に廃止されたけど、コードやパイプがあるとザクとか、それっぽい。
勇者ロボの合体も電車の連結部の部品とかを参考にしているようだ。
感心したのは、マジンガーZの股関節のVライン、肩口、手首にはボールベアリングが立体的に描きこんであって、「摩擦を少なくしたいんだなー」という意気込みが感じられたところ。
(描いたのは若き日の宮武一貴さん)
まあ、意気込みレベルであって、あの大きさの関節がボールベアリングくらいで何とかなるわけはないと思うのだが、マインド的にはそう。
ガンダムのマグネットコーティングの関節の摩擦が0というのは声が同じ鋼鉄ジーグよりも過激な気がするけど。(しかも後続ガンダムシリーズのモビルスーツはだいたいマグネットコーティングを基本採用しているとか?)
あと、各部にサスペンションがあったり、操縦席に移動するのがバイクの延長だったり。
宇宙戦艦ヤマトも戦艦大和だし。まあ、パースの強調はしている。実際の戦艦大和は割と普通に細長い。まあ、船だし。
マクロスのバルキリーも脚がジェット、もしくは熱核エンジンなので、そんな危険なもので歩けるかって感じですけど、(Zガンダムはもっと危ない)現実の戦闘機のトムキャットに似てるし…。ということで何となく騙されてしまう。
ちなみに、ターンエーガンダムの脚の黒いラインや三角の穴は、どうやら腿の裏やふくらはぎの複合スラスターベーンのためのエアインテークらしいんですが、バルキリーとちがって現行の機械とは全く違うデザインなので、ほぼ理解しにくい。(当時のアナログテレビではなんとなく脚の裏が黒いって感じで、スラスターベーンに泥が詰まっていたというのがよくわからなかった)
∀ガンダムは申し訳程度にかかとにベクタードノズルもあるけど。
マジンガーZやコン・バトラーVのアンテナとかも電波塔とかに似ているかなーって。
そういうわけでロボットはウソなんですけど、現実で見られる機械の部品に類似した部品があると、なんとなくありそうな気がしなくもなくもなくってよ。
まあ、ファイブスター物語とかフレームやエンジンごと全部自分でデザインする人もいます。
アイドルマスターゼノグラシアやBIG-Oも腕がクッソデカいけど、「パイルバンカーなのかなー」って思いますし。
ジャイアントロボのタラップとか。
逆にあんまりリアリティはないけど、ザンボット3とかみたいに鎧武者とかそういうデザインモチーフで行く場合もある。キングゲイナーは舞台がシベリアなので、スノーボーダーっぽい雰囲気でデザインしたらしい。
装甲騎兵ボトムズも軍用ジープっぽい雰囲気だそうだ。
うん。やっぱりすごく当り前のことだな。別にブログで書く必要もなかったかもしれない…。
でも、ゲッターロボの変形のハチャメチャさについては解説の銀河万丈さんも軽く流していた。まあ、ゲッターは深淵だからな。
水樹奈々さんは「”革命機ヴァルヴレイヴ”や”クロスアンジュ”に出演していました!」と仰っていたけど残念ながら展示はない。あと、ヴヴヴとクロスアンジュはロボットアニメなのか能力ファンタジーバトル物なのか、ちょっと判別しにくい所はある。コードギアスも。
というわけで、「ロボットのデザインには現実の機械の部品のトレース要素もある」って言うだけでやっぱり長くなるし、一般的な展示会だと20世紀で論を止めて、懐かしのロボットの絵を展示するくらいでちょうどいいのかもしれない。
- 倪瑞良の切り絵
ミュージアムギャラリーで倪瑞良「切り絵・ミュシャの世界」展をやっていたので見た。
オタクはアルフォンス・ミュシャが好き。新機動戦記ガンダムWのDVD-BOXとか。
しかし倪瑞良さんはミュシャっぽい絵柄を描いているのであって、ミュシャの模写ではないらしい。難しいな。和風や中華風の絵もあった。
煎紙という技法らしい。
もちろん原画を買う金はないので3種類あったクリアファイルのうち一枚を購入。タイトルはスタッフの人もわからないらしい。わからないのか…。
百合と鳩っぽい鳥が描いてあるので聖母マリア様のような気がするけどよくわからない。とりあえず、脳内妹に似ているので買った。僕は基本的に美の基準が脳内妹だよ。
僕は基本的に社会とか嫌いだけど美しいものが好きなサタンゲイナーなので。
なんかのオタク系の展示会のついでに常設展を見て、偶然、知らなかった美術品を知っていくのも縁という感じで好きですね。
- 芦田英次 NEOリアリズム写真展「無惨やな」 ≪写真≫
能登半島地震を4月に撮影した展示会。細かく見るとしんどそうなのでさらっと。
ロボットアニメが好きなオタクは正義と愛と友情とかも好きなのでなけなしの金を募金した。
現金が少ししかない…。まあ、時代はキャッシュレス!メルカリポイント!分割払い!リボ払い!うわーーっ!
物販のプラモデル、特にファイブスター物語系は欲しいけど積んでるプラモデルが多すぎるし金がないので我慢した。
- Amazonほしい物リスト。
https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
↑グダちん用
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