というのは、ボクの妹は僕の心や夢を透視する能力があるんだけど、以前僕がクリスマスの夜にガンダムの夢を見た事で、妹もガンダムオタクになったのだった。
それはどんな夢だったかというと、
その晩、飲み過ぎた俺はフラフラとした足取りで高層マンションの自室へと戻ろうとしていた。
うぅ。最悪に気持ちが悪い。一刻も早く部屋に戻って眠りたい。
という心持でなんとかドアを開け、そのまま玄関に倒れこんだ。
意識が暗闇に落ちていく直前、視界のすみで何かが動いた。なんだ、俺の部屋に誰かいるのか?
その影を探すと、それは僕の大好きな幼女だった。
天然パーマが可愛い黒人の幼女。タカハシマコのマンガに出てきそうな目のパッチリした顔立ち。
パジャマを着て、廊下の隅っこに隠れるように俺のほうを伺っているのを見ると、眠っている所を俺が起こしてしまったようだ。
眠っている所?
と、そこでこの部屋が俺の部屋ではないという事に気付いた。ここは俺の部屋の隣の部屋じゃねえか。
俺のマンションでは隣同士の部屋の入り口が、通路の角をはさんで対称に作られているわけで、それを酔っ払った頭で勘違いしてしまったようだ。
「あ、夜分遅くに申し訳ありません。勝手に入っちゃったけど、決して僕は怪しい物じゃないです。」
「・・・」
「あ、日本語分かる?えっと、アイムノット ドロボウ。アイ リブ イン 隣の えっと。アイムユアネイバフット。オーケ?」
「Do you RAPE me?」
「なに?」
「You must want to RAPE me!NOOOOO!Please do not bully me!
Please!Pleaze rape meeeee!」
「ば、バカ。何言ってるんだ。僕は童貞だよ?いくらロリコンでもいきなりレイプなんかするわけないだろ?」「Please!Pleaze rape meeeee!All man always rape me! You too! Please Fuck me!PLEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEase!」
と幼女は泣き叫びつづけている。どうやら、いきなり俺が部屋に侵入したせいでこの子のトラウマをフラッシュバックさせてしまったようだ。
そう言えば(ここから回想シーン)この部屋の持ち主は30代くらいの女性なんだが、引っ越してきた時に近所の叔母さんがその人について噂して棚・・・。なんでもボランティアで身寄りの無い子どもの面倒を見ているとか何とか。その子がこの子か。
「Please!Pleaze rape meeeee!All man always rape me! You too! Please Fuck me!PLEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEase!」
「リッスンッ! I never rape!」
「Really?」
「そう、俺はレイプはしない。もっといい事をしてやる。ユー マスト ノウ、ザット ゼアイズ ベター シング ザン セックス(でつたわるだろうか?いや、ここはつたない英語でも言うしかない!)」
と、言いながら幼女の涙をそっと指でぬぐう俺。
「than sex・・・?You don't have SEX?」
「イエス。アイノウ nicer ザンセックス。アイ ティーチ ユウ」「What?」
「イット いず ガンダム!」
「Gundam?????」
そう、ガンダムだ。セックスよりも気持ちが良く、人を幸せにする物、それはガンダムだ。
この奴隷のように犯されて育った少女に必要なものは、それはガンダムだ。
だから、俺はこの子にガンダムを見せる。俺の部屋に在るガンダムのDVDを今からこの部屋に持ってきて一緒に見る。
そうだな、この子には∀ガンダムを見せよう。人が癒され、ガンダムを呼ぶ様を見せよう。
黒人だとか、男だとか女だとか、奴隷だとか身分だとか関係なく生き抜いたロラン・セアックの冒険をいっしょに見よう。
ガンダムだ。
ガンダムでこの少女を助ける!
ガンダムだ!
俺の脳はガンダムで構成されているようだ。せっかく幼女が自分を犯してくれと叫んでいるのに、そこで断って一緒にガンダムを見るなんて、俺は骨の髄から童貞ガノタ。
で、僕がそういう男だと知った妹は頑張ってガンダムシリーズをすべて見てくれたのだ。今では二人でガンダムについて語ったり一緒にガンダムを見たり、とってもラブラブです!