玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

伝説巨神イデオン26 死闘・ゲルの恐怖

脚本 渡辺由自 絵コンテ菊池一仁 演出関田修 作画監督二宮常雄
あらすじ
http://www.sepia.dti.ne.jp/stillness/ideon/story/television26.html
2クール目が終わった!
1クール目はソロ星から地球人類圏内へ。
2クール目は地球人類の植民星をたらいまわし
そして、ついに帰ってきた!地球へ!
母なる地球へ!
母は子どもを受け入れてくれる!傷ついた子どもを世界から守ってくれる!
母を守る父はその力で子どもを襲う敵と戦い、導いてくれる!
めでたしめでたし。
ソロシップのみんなは本気で戦いにウンザリしていたので、地球本星の軍隊の頼りになる大人の公務員にソロシップとイデオンを渡して管理してもらえる事に安心していましたよ。
植民惑星同士では散々殺しあいになったのに、まだ懲りないのか。
中央政府ならばなんとかなると思ったのか。
馬鹿め。
いや、裏切られる事が予想できるからから逃げ出すよりも、本当に裏切られるまでは愛を信じてしまうのが親や故郷という物なのかもしれん。


一応、バッフ・クランは完全に撒いたつもりでもあるし。
しかし、生体発信機は本当にしつこいな。
普通、こういう秘密兵器は早々に対策されるべき物なのだが。かなりの序盤からず-ーっとあります。
で、生体発信機のせいでず-ーっとおいまわされるのだ。
ソロシップの中の人敵にはかなりの不条理感だろうなあ。しかも、カララもシロと分かった後はもう、わけがわからん。
しかも、敵が追ってこなくてもイデが勝手に敵のほうに導いた事も在ったので、何がなにやら。
視聴者はまだ、なんとなーく、生体発信機は何万光年先でも位置がわかる亜空間通信機だ、とか、イデは赤ちゃんに反応するんだー、という事が演出でなんとなく暗示されるんだけど。
俺がソロシップの中の人だったら、すでに発狂してると思う。
みんな偉いなあ。
ほんと偉い。マジで。


ほとんど漂流教室のノリですよ。
あ、ソロシップは中で農業酪農ができるからまだ安心できるんだろーか?
ハシカはあってもペストほど蔓延しなかったしなあ。
一応武器もあるし。
でも、お母さんの声は????


そこら辺の感覚は、富野作品は楳図かずおや師匠の手塚治虫とは違いますねー。

手塚治虫の母は、手塚悦子の『手塚治虫の知られざる天才人生』によると、手塚悦子に. 「治は私のかけがえのない息子です。そして、ときには夫と思い、また恋人でもあるのです。 仲のよいあなたたちに、ジェラシーを感じることもあるのです」と言った。

∀の癒しだか、だから僕は、だかでも、富野喜幸手塚治虫の母に在った時、関西の上流の夫人の鷹揚さを感じ、自身の母に対しては、「弟の妻が死んだ時に喜んだのだ」とか書く。
手塚治虫のお母さんに対してコンプレックス?


閑話休題


コスモが気絶している間にキッチ・キッチンが死んだ。
重症から目覚めたばかりで、キッチンの死を知らされ、ショックで荒れるコスモに、ベスもカーシャもシェリルも厳しい言葉をかけてしまう。
死が日常になっているからだろうか?コスモを戦闘力としている負い目からだろうか?
コスモにしっかりしろ、みっともない、と言う。
彼らは自分にはどうしようもない事を感じながらも、とりあえずコスモに何かを言うだけだから。
で、コスモは荒れるのだ。
ただ、非戦闘員のロッタが「みんなあなたを頼りにしているのよ」と、率直に言うと
「おれはキッチ・キッチンにさよならも言ってないんだぜ!くそぉっ!」
と、本音を言う。
コスモはキッチンの遺体と対面も出来ていない。かわいそうだ。悲しむ事も出来ない。
寝ている間なんて、カイ・シデンより酷い。キッチンのために戦って倒れ、目覚めたらその目的人物がいない。
ひでえ。


あと、思ったのだが、キャラクター・デザイン的にも立場的にもコスモとキッチンは対になるようにデザインされている気がした。
アウトドアーで革かデニム地の服で、パーマッ気のある髪は赤と青。
コスモはソロ星の科学庁の幹部の息子で、キッチンはキャラル星の軍高官の娘。
そんで、子ども達のリーダー。
コスモは自分を愛するようにキッチンを愛したのかもしれん。
カミューラ・ランバンは母親のような愛情だったのだが、今度は自己愛です。
社会的分化の段階を踏んでいる、と言えるのだろうか?
そして、今回も死別。
コスモは自我を破壊されつづけてないか?
碇シンジってレベルじゃねーゾ!
渚カヲル君みたいなホモキャラは出ますかね?


そして、コスモは出血多量で一時的に目が見えなくなっている状態で出撃します。
するなよ!
やめさせろよ!
だが、キッチンの事を振り切るためには必要だ、と親友で弟分のデクが判断して出撃だ。任侠だ。



んで、話は長くなったが、今回の敵はスーパーロボット対戦でも有名な「頭痛メカ」ガルボ・ジックです。
スパロボでは、正直大したこと無かった。
アニメでは、すごくでかくてこわかった。
あと、合体がすごい無意味だった。
んで、案の定ハーケンが最強だった。
ハーケンとかクローだけで良いじゃん。
で、今回はハーケンで捕まえた後に「脳細胞を破壊するビームのような」ゲル結界を放射します。
距離に反比例して弱くなるっぽいので、特殊武器をつんだダルマで触手しかないくせに接近戦です。まー、装甲が厚くて1体なので、ミサイルよりもぶん殴った方がよい、と言うイデオンの習性を利用したと言う事にしておこう。


つーか、ゲル結界は頭痛以上に後遺症の方が心配すぎるのだが。
みんなケロッとしてますね。
5分照射されたら脳死すると言うらしいのだが。
まー、アルツハイマーになっていく主人公なら、宇宙の騎士テッカマンブレードになってしまうか・・・。幼少の時から見たがっている割には見てないなブレード。
ゲル結界はソロ星にあったイデのエネルギーの通った後に変質した物質を利用した物だそうだ。
器質的なものではなく、脳内物質を動かす自我とか霊体を破壊すると言う物か?
バッフ・クランもまた訳の分からん物を急場で使うよなあ。


それはそうと、ゲル結界でイデオンはピンチになった。
でも、なんと!
コスモは出血多量で、ゲル結界以前から脳の調子が狂っていた!
という理由付けが可能かどうかはわからんが、
コスモは臨死体験をする。
キッチンとの思い出を、知り得なかったキッチンの死を、幻視する。
ゲル結界はバッフクランが作った兵器だが、イデを応用した物である。その作用が時空とか魂とかアカシックレコードだかを歪めて、コスモにキッチンの死を伝えたのかもしれない。
それで目覚めたコスモは、とにもかくにもイデオンを暴れさせ、ゲル結界を積むためか構造的には脆かったガルボ・ジックを撃退。
これは、死んだ恋人の弔い合戦、と言うロボットアニメ的に完璧な王道でもあり、また、コスモが奪われた自我の半身を取り戻した、とか、遺族が死を受容する儀式、でもある。
こういう、社会通念にも通じる無意識的な本能の部分にも伝説巨神イデオンという作品は訴えかけてくるんだな。
うまい!


また、敵のダラム・ズバにしてみれば新兵器が自分の期待した機能以外の副作用を及ぼした、と言う形になって、イデオン用の兵器がイデオン的なモノとして振舞っているようで面白い。


機械に振り回されたり、機械の機能に合わせて思考した人が足元をすくわれたり、そういう考え方は他の富野作品にもよく出てくる感じです。


ダラムはハルルを振ったくせに、振った男の余裕からか、未練を持って遠くから物資を送って自分に尽くすハルルに対して、デレデレ。
でも、前回といい、そのハルルの好意で送った増援が必ずしもダラムを勝利に導いてはいない。
っていう裏腹な感じもたまらねーぜ!


一寸先は闇!