玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ルイン・リー「先輩」という差別

 劇場版Gレコパーフェクトパックの絵コンテを読み込む前に、とりあえずアフレコ台本を読んでみた。

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 絵コンテから読み取れた情報を記事にするつもりだが、台本を読んでいて、改めて違和感に気づいたので、短く書く。


 ルイン・リーはベルリについて最初のセリフで「さすが、二階級飛び級生のベルだな」と言う。おかしくないと言うより、変でしょ?
 「2学年飛び級生」ではなく「2階級飛び級生」なのである。


 そう考えると、キャピタル・ガード養成学校は学年制ではなく、単位制で、ポイントや功績が貯まったら階級が上がる制度なのかもしれない。



 

 ルイン・リーベルリ・ゼナムを宇宙実習でレクテンに乗せるとき「年齢順なんだからベルが一番先だろ?」と言っていたが。飛び級生のベルリの年齢が他の候補生より低いのは分かるが、学年制である場合、他の生徒は年齢が同じということになるはずだ。しかし、「年齢順」がベルリだけでなく他の生徒にも当てはまるとしたら、キャピタル・ガード候補生の年齢は割とバラバラなのかもしれない。(あるいは、ルイン・リー林家ペー師匠のようにクラスメイトの誕生日を覚えるマニアか)
 Gのレコンギスタのキャラクターの正確な年齢の設定は発表されていないのだが。ベルリはセントフラワー学園に似た色の制服を着ているので、中等部の制服を着ているのかもしれない。セントフラワー学園がキャピタル・ガードに比べて年齢が下、という明言もされていないのだが。ベルリはノレドやマニィよりも年下の可能性もある。


 そう考えると、次に考えに浮かぶのは「ルイン・リー先輩」ということだ。
 ルイン・リー「先輩」はベルリだけでなく、マニィよりも先輩であり年齢が上ということだ。主席なのに、年齢が上。


 これを「キャピタル・ガード養成学校は階級制」という仮説に当てはめると、
ルイン・リーは成績優秀でトップの主席であるが、その階級にたどり着くまでに他の生徒よりも時間がかかっていて年齢が上」と言う推論ができる。


 じゃあ、なんで主席になるまでに時間がかかっていたのかと言うと、もちろんクンタラとして差別されているから成績のポイントも貯まりにくかったから、ではないだろうか?(あるいは入学するまでにも時間がかかって、その時点でも年齢が上だったとかも考えられる)
 現実のアメリカのハーバード大学などでも人種によって入学試験の点数が変わるということが報道されている。


 つまり、ルイン・リー「先輩」というのは「学年が上の先輩」というより、ももえサイズのような「ダブリン先輩」という意味かもしれない。


※追記
 以前にもGレコはヤンキーっぽいと書いたが、ルイン・リー「先輩」というのも、ヤンキー的な意味での「同じクラスの先輩」という意味かも。


 また、チアメンバーが応援する「千十回生」というのも、「千十回入学生」ではなく、「千十回卒業生」という意味なのかも。


 ルイン・リーの恋人のマニィ・アンバサダも悪気なく「ルイン先輩」と言っているが、ルイン・リーは「先輩」と呼ばれるたびにイラッとしていたかもしれない。が、学園内では主席で面倒見のいい年上の兄貴分を演じて内申点ポイントを稼がないといけないので、ベルリやマニィにも親切に接している。
HG 1/144 エルフ・ブルック(マスク専用機) (Gのレコンギスタ)

 そんなルインがマスク大尉になって他の一般軍人よりも一気に大尉に飛び級して指揮官になれたっていうのは、すごいスカッとして盛り上がる経験だっただろうなあ。しかし、結局ベルリのせいで敗走して(頭を取られたモンテーロに殺されていた可能性もあるが)、「クンタラクンタラよ」と陰口を叩かれる。それで最終回までイライラを溜め込んで、中盤はワイヤーガンで勘弁してやろうと思っていたけど、最終的にはベルリを殺そうとするまでになるのだが。


 第1話の時点で「ルイン・リーは差別されているから年齢が上」と示されているのかもしれない。まあ、先行上映で3話まで一気に見たのでルイン・リーが差別されている描写は第2、3話、の方が印象的なのだが。


 人の自尊心を傷つけるということは、殺されても仕方のないことである、と東南アジアや中東の文化圏ではよく言われる。(日本も武士がいた時代はそうだった)
 そういう点で、人間関係に気をつけていこう、と考えさせてくれる面がG-レコにはあると思う。まあ、富野監督も名作劇場で交互に絵コンテを描いていた奥田誠治さんとか海のトリトンのスタッフとか声優さんとかに割と不義理を働いていて、恨みを買っている。富野監督もエッセイで色んな人への恨みを書いているし。なんとかGのレコンギスタの劇場版を完成させ、その経験をもとにした次回作を作るくらいまでは暗殺されないで生きててほしいものであるが。まあ、僕は富野監督を面白がっているので攻撃はしないけど、富野監督への攻撃を止める立場でもないし、事態が面白くなっていけばそれでいいかなーと。


 ところで、マニィがクンタラというのはどうなんだろう?第1話でクンタラだと差別されて大人の男に蹴られたりしている(ひどい)のはノレド・ナグで、マニィはチアメンバーの中心的人物のように振る舞っている。なので、キャピタル・アーミィの兵士に志願する前は学校ではクンタラだということを隠していたのかもしれない。ノレドのようにクンタラをカミングアウト(幼少期にアウティングされたのかもしれないが)してクンタラらしいパチンコを愛用して、クンタラとしての振る舞いをするか、クンタラであること隠すかも人によって違う、としたら、それはそれで現実の差別にも近い描写だなあと思う。
 チアメンバーAが男性であることを隠しているのかどうかは謎だが。恋人のトリーティもベルリより血気盛んな謎の多い人物。まあ、チアメンバーAちゃんはその後、ベッカー大尉のウーシァの男らしさに惚れてしまう尻軽なのだが。


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