こういう軽い感想はもうちょっと早く鑑賞した次の日にサクッと書いておくべきネタなのだが。
まー、第三部の公開日の翌日にワクチンの二回目を打って一週間ほど発熱でフラフラになっていたし、今週の火曜日にもG-レコを見に行ったけどその後買い物で重いものを持ったので筋肉痛を起こした上に微熱になり、やっぱりコロナウィルスの流行が怖いので外出した翌日はめちゃくちゃ寝る。(コロナウィルスの流行が怖いので、外出した時に買い物などもまとめて済ませて、なるべく引きこもる)
あまり重い話題ではないが、劇場版Gのレコンギスタ第三部のマニィ・アンバサダちゃんについて書こうと思う。
マニィ・アンバサダちゃんは簡単に言ってしまえば、主人公のベルリのライバルのマスク大尉を慕う少女ですが。(単に慕うだけじゃなくて色々しでかすのが富野女性キャラですが。世界的な名門女子校のセントフラワー学園のチアリーダー部のリーダー格(多分部長かな?)をやってるすごい美少女。声は高垣彩陽さん)
Gのレコンギスタ劇場版、色んな意見がある。主だったものは分かりやすくなったという感想だが。
それはそれとして、1週間に20分のTV版が劇場版では(数ヶ月の空白期を起きつつ)、1度に104分もぶっこまれるという、TVと映画のメディアの(テンポとかの)違いですが。映画とテレビの違いを論ずるのは僕の手には余るのですが。
富野由悠季監督は映画作品の監督をやっていてもTV版の(ざっくりした定義での)総集編が多く、G-レコもそのうちの一つです。劇場版オリジナル作品は逆襲のシャアと機動戦士ガンダムF91とリング・オブ・ガンダムくらいしか作ってないのですが、ファーストガンダムの頃から「映画的な作品を作りたい」とおっしゃっていて、「映画では女の一生とかを2時間で語れる」、などの映画に対する持論をお持ちの方。
というわけで、映画のほうがTVアニメより短時間で長い作中時間を描けるメディアということで圧縮率が高いわけですが。
劇場版Gのレコンギスタ第一部「行け!コア・ファイター」はテレビアニメの第1話から第6話の前半まで。
第二部「ベルリ撃進」ではTVアニメの第6話の中盤から第11話まで。の約6話。
第三部「宇宙からの遺産」はかなり省略された第12話の一部から第18話までの約7話。
第三部は前2作より上映時間が10分長くなっていますが、どんどん収録話数が増えていっている。
そうするとどうなるのかというと、テレビだとだいたい1ヶ月ちょいかけて描かれたキャラクターの変化が1時間半ちょいに圧縮されて、爆速で成長していっているように見えるという現象が生じる。
まあ、もっと圧縮率の高い新訳Zガンダム劇場版三部作(1年のTVシリーズを各90分にまとめた上に解釈を変える)を参考にしたであろうヱヴァンゲリヲン新劇場版:破は第二部にしてTV版の第19話相当までやってるんですが。(バトルアクション編の使徒はかなり省略されたけど)
主人公のベルリ・ゼナムくんは乗っているモビルスーツの武装(バックパック)の変化だったり、敵対する敵の変化だったり、周囲の状況や出生の秘密の変化だったりして、わかりやすいわけですが。主人公だしね。
主人公ではない、敵役の恋人であるマニィ・アンバサダの出世、一気に見せられるとすごいなって思った。
かんたんに列挙すると、第一部でのマニィはルイン・リーの彼女のチアリーダーで、マスク大尉の体つきにルインの面影を見るだけだった。
第二部では、中盤にマニィはルインを探すために緑の黒髪をバッサリ切り落としてキャピタル・アーミィが徴発した戦艦ガランデンの補充兵として軍に志願して、甲板の掃除などの雑用をしていた。その中でマスク大尉とのロマンスも発生する。
第二部の終盤の第11話相当分では宇宙に上がったスペース・ガランデンでマニィはいつの間にか雑用係のリーダーに出世して、他の雑用兵に指示を出していた。
同時に、マスク大尉との絆があったり、横から入ってきたバララに嫉妬したりというのがある。
新兵ながら、マスク大尉から直々にコンテナの整理を頼まれる。(まあ、マスク大尉も異例の大抜擢なんだが)
マスク大尉のマックナイフがベルリのG-セルフによって傷だらけになって帰ってきたというのも見てベルリに微妙にヘイトが溜まったり。
第三部では前半の第13話相当で、マニィは宇宙戦艦のモビルスーツデッキでのモビルスーツの出入りと、そのメカニックチェックを率先して行っている。雑用掃除係からメカニックの出入りの記録処理をする情報士官に格上げされている?
しかもこの時、急に出てきたトワサンガのドレッド艦隊と戦うためにザンクトポルトの近くで地球人どうしで連合しようとなっている。そして入ってきたのはちょっと前まで敵対していたアメリア軍海賊部隊のメガファウナ所属のG-セルフ、G-アルケイン、グリモアであり、友軍の機体を迎えるのよりも格段に難しい状況。
そのメカニックチェックを誰よりも早くやるって飛び出していくマニィ、強すぎないか?数週間前まで女子高生だったんやぞ。(まあ、マスクとベルリもキャピタル・ガードの候補生だったけど、彼らは一応半軍属のデレンセンからモビルスーツの操縦などを習っていた)
もちろん、マニィが出てきてノレドと再開するっていう場面のためではあるのだが。
ほんで、ザンクトポルトでのドラマからちょっと時間があって、月に向かうメガファウナの戦闘とか、トワサンガで出生の秘密を知るアイーダとベルリの話があって、マニィの出番はちょっとない。
第16話でガランデンは地球人の航宙船としては一番最後にトワサンガ入りするのだが。
↑これを含め、この記事の画像はすべてTV版。
ちょっと劇場で4回見ただけなので記憶がはっきりとしていないが、劇場版ではマニィもアパッチ軍港に入港したガランデンの前に他のキャピタル・アーミィの兵士と並んでいたような・・・?
で、すごいのは、第17話でマニィは「トワサンガの伝票って!」と愚痴を言いながら、月の裏側にあるトワサンガの軍部からガランデンに渡された試作モビルスーツビフロン、(その他)の受け取り書類をタブレットで整理していて、バララにもビフロンの整備の進捗を口頭で報告する立場になっている。
クンパ大佐とマスク大尉とバララ中尉が話している部屋にも普通に立ち入れる身分になる。(ちょっと密談を聞かれていたらまずかったかもしれないけど)
何がすごいって、月の裏側にあるトワサンガという、数週間前のマニィが全く存在すら知りもしなかった超遠い外国の軍部と自分が乗っている戦艦の間でかわされる軍事物資やマシン兵器の受け取り書類などを、「ちょっと書式の違いにイラつく程度で」こなせるようになっているマニィがすごい。
女子校中退やぞ!
ついこの間まで女子高生をしてたマニィがものすごい遠い外国で軍事物資の伝票の整理を任される。女子高生が月の裏側まで行くのもすごいし、全然知らない外国との取引の伝票整理の仕事を任されるのもすごいし、その内容が軍事物資や巨大兵器の取引というのもすごい。こう言うと女性はメカに弱い、みたいな差別に思われるかもしれないけど、数週間で習得できる仕事か?
うーん。僕はそういうの、やる自信がないですね。
トワサンガでもたまたま同じ言語が話されていて、ちょっとした書式の違いはあるものの、タブレット端末でデータが受け渡しできる程度には「ユニバーサルスタンダード」の規格が通用したのでなんとかなっている面もあるが。
マニィ、なんだかんだ言ってめちゃくちゃ優秀な女子なのでは?
(このカットは劇場版ではあったかな?トワサンガの偉い人にもバララ中尉といっしょに挨拶できる身分)
単にマスク大尉が好きで追いかけているだけの女かと見せかけて、着実に一段一段地位をあげていっている。
TV版では一週間ごとにマニィが出たり出なかったりしたけど、劇場版で一気に見せられると、マニィが爆速で新兵から情報管理責任者に出世している印象になる。
ガランデンとトワサンガは一触即発で味方になったふりをして裏切る気満々の関係だし、そこで交わされる軍事物資の流通伝票とか、おそらく機密だろうし、そんなのを処理できるマニィ・アンバサダ……。
まあ、そもそも論としてG-レコの原案になった「はじめたいキャピタルGの物語」の設定からして、セントフラワー学園はキャピタル・ガード養成学校と校舎を一部共有している女子校(トランスジェンダーの人も入学できる)なので、優秀なのは当然か。
なにしろ、キャピタル・タワーを擁するキャピタル・テリトリィはその名の通り世界中の富が集まっている。一度人類が絶滅しかけて、千年かけてやっと立ち直っているリギルド・センチュリー1014年の時点でも環境が安定している地域はキャピタル・テリトリィの他には少ないらしい。
キャピタル・タワーは世界中のエネルギーのフォトン・バッテリーを運搬するものすごく重要な施設なので、その管理をするキャピタル・ガードや運行局員はとてもエリート。
第1話であったようにセントフラワー学園の伝統でキャピタル・ガード候補生から未来の亭主探しをするという行事もあるが。
ベルリの養母のウィルミット・ゼナム運行長官が女性ながらタワーの運行実務のトップであるし、144番ナットの港の責任者も女性だったし戦闘員のガードやアーミィはともかく、セントフラワー学園からキャピタル・タワー関連の仕事に進む女子もいるだろう。
劇中ではほとんどチアリーダー部としての側面しか描かれていなかったが、セントフラワー学園は普通に世界一の女子校で世界中から才能が集まっているのだと思う。
もちろん、マニィの行動力の源泉はマスクへの恋心なんだろうけど、でも女子高生が数週間で軍の情報の管理を任されるスピード感はすごい。学生時代から簿記の資格とかは取っていたのだろうか。
また、ガランデンのメインクルーであるゴンドワン人の大人たちより、マニィみたいな頭が柔らかい若者のほうが外国での軍事情報の処理っていうめちゃくちゃ変転する業務に対応することができる、みたいな?
で、問題の第三部ラスト、第18話の「三日月に乗れ!」ですが。マニィはマスクがメガファウナに潜入するためにメガファウナの前方メインデッキの巨大な装甲隔壁を「ユニバーサルスタンダードだから」って、外からハッキングして開けます。いくらユニバーサルスタンダードでも、軍艦のデッキの装甲隔壁ってセキュリティ対策はしているだろうし外からハッキングして開くものか?
やっぱりマニィは優秀…。マスクが仕事を信頼して任せられる特集情報技能兵士…。
なんだけど、マスクはG-セルフの奪取に失敗し、むしろバララ中尉のビフロンがピンチになった時に彼女を守るためにマックナイフで戦ってしまう。
その他にもクリムやロックパイやガヴァンなど複数の勢力と戦闘になってしまい、メガファウナはハチャメチャに加速して金星まで行くクレッセント・シップに乗り込むことになってしまい、マスクはマニィを助ける余裕もなくなり、マニィはマスクとしばらく別れることになる…。辛い…。
しかし、こんな優秀なマニィは劇場版第4部で金星近くのビーナス・グロゥブでの高度な文明を見て、どういうふうに成長していくのだろうか?TV版と同じなのだろうか?
ロボットアニメと言えばメカのパワーアップが目立ちますけど、こういうキャラクターの技能のインフレもすごいなーって思いますね。まあ、宇宙ではそれくらい優秀じゃないと生きていけないんだろうけど。
- 劇場版でカットされた場面
と、マニィがノレドとベルリに向かって、ザンクト・ポルトで宣言する下りがカット。
また、甲板上の荷物を紐で引っ張りながら「私もモビルスーツの操縦を覚えないと!」とバララに嫉妬するのもカット。
ちなみに、第17話ではノレドもメガファウナのトワサンガ・レジスタンスとの受け取り書類などの整理の仕事を任されていたが、劇場版ではカット。ガランデンよりもメガファウナの方がいろいろと緩そうではあるけど。
有名な歴史政治学の下りもカット。(やっぱりセントフラワー学園は名門なので、ノレド・ナグさんも元々歴史政治学を専攻していたんだと思う)
他にもカットされた場面はもっとあるけど、印象的なのはこの辺。
劇場版第三部を見た最初の感想で、「ベルリの人生リセットのタイミングが繰り上がったので先の展開がわからなくなった」と書いたけど、軍人であることをアピールするのがカットされたマニィや、ラライヤと距離が離れてアイデンティティが不安になるのがカットされたノレドなども細かく変更されている。
強いて言えば、劇場版のほうが「軍人という立場」や「ラライヤの保護者や歴史政治学の学生」というかっちりした「役割」の強調がカットされて、「感情や思いやり」というふわっとした感覚が映画的として採用されたのかも。
追加されたシーンではノレドがマニィの軍服をからかって、マニィがキャピタルアーミィから一人ではぐれた不安感を軽くさせようという、思いやりのシーンが追加されて、TV版より優しい雰囲気になってる。
さすがに、映画バエするので終盤のジーラッハやG-ルシファーは出てくると思うんだけど…。でも新訳Zガンダムを作った富野監督なので、同じメカやキャラクターの絵を使っても感情面では正反対の意味に演出し直したりもするので、油断できない。
- 愚痴タイム
「マニィって女子高生なのに軍の中で出世していてすごい!」というだけのワンキャラ小話のつもりだったので1時間で書けると思ったけど、当時の自分の感想を読んだりしてたら8時間かかって徹夜です。クソみたいに脳がしんどい。
でもしばらく書けていなかったし、ここで寝たらまたいろいろと後ろ倒しになるので、もう「しんどくても書き終わるまで寝なかったら書ける」という無茶をした。からだには悪い。
寝る。
- ほしい物リスト。
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↑グダちん用
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