玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ブレンパワード第20話「ガバナーの野望」

ブレンパワード 第20話 ガバナーの野望(B-ch)



脚本:隅沢克之 絵コンテ・演出:南康宏 作画監督佐久間信一


比瑪(ナレーション) 「あたしのいっぱいのお母さんの思い出は、あたしのプライドであり、幸せの元になっている。だからって、積極的に人には話さない。勇にとってのネリー・キムさんのことは辛い思い出だろうけど、大切にしなければならないことではある」

と、言う風に語る比瑪は素敵だ。
人のことを察してわかろうという優しさがある。
自分の経験を客観的にわかって、その上で他人に対する態度も作ることが出来る。
比瑪っていい子だなあ。
これは、富野監督が鬱病を経験した中で、家族に支えられた、と言う事が影響してるんだろうかね?
じゃあ、やっぱり比瑪は阿亜子さんをモデルにしてるのかな?ユキオ・アカリ・クマゾーは娘と愛犬だし。
うーん。富野さんはとてもいい奥さんを持っていると思う。っていうか、アニメ監督で奥さんが仕事に付き添ってくれていると言う話を聞くのはトミノさんだけだからなあ。
しかも、あのトミノオシャレな服を選んでるのも奥さんだというし。すげーな。



そして、今回の見せ場は、ついに正体をあらわしたガバナーだ。
ガバナーこいつだったのか!
その割に、キャラクターの反応はクールだ。ジョナサンはガバナーと知らずに会っているというのに。
「あんただったのか!」
というような判りやすいセリフも一切なし。
ジョナサンが握手を拒否する、と言うさりげないリアクションはあり。
視聴者にインパクトを与えて盛り上げる、と言う普通な演出は取らないんだな。
割と粛々と事態が進行しているようで、かえって不気味。というか、組織の大きさというものを感じる。
表情を隠した個人の化かし合いのようだ。
それで、直子さんのような普通の人は圧倒されるだけなのだな。直子さんって、結構インテリだと思うんだが。
しかし、Governorとは、おもしろいネーミングだな。
オルファンがアメリカの州になったので、当に州知事。植民地の総督。


ところで、「ガバナーの野望」と言う割に、それが何なのかはわからないな。まだ、ほのめかされただけ。
オルファンのコピーと研究のために作られたノヴィス・ノアが要らなくなったと、ノヴィス・ノアを潰そうとしているようだが、その反面でノヴィス攻撃に向かわせたアーミー・グランチャーは当てにしていないし、ノヴィスのクルーを信頼しているような面もある。
こいつはアメリカの要人ではあるが、アメリカ合衆国を利用しているだけな気がする・・・。忠誠を誓うのはいつも末端だ。
人類に潰し合いをさせて、オルファンと自分と女だけが銀河旅行をしたいのだろうか?
富野作品のラスボスは結局は個人のエゴのために戦うのがつねだからなあ。
さて、彼の真の切り札と言うのは、なんだろうか?
バロン・マクシミリアン、ジョナサン、クインシィはどのように絡むのだ?



今回の主人公達。
今回の勇たちは、ノヴィスに帰りそびれてオルファンに呼ばれてアーミィ・グランチャーと戦った。
ネリーの亡霊だと怖すぎる。ネリーは人をあんな風に殺さない。
だから、やはりオルファンが見たいものを見せたのだと思う。米軍兵士はグランチャーの中にいたからか、オルファンに排除されているからか、性格が悪いからか、自分の幻影を見せられて自滅。ヒデエ。
つーか、比瑪ちゃんの頭の中はお花畑なのか。そうか。かわいいな。
「コンセントレート!チャクラ・フラッシュ!」かぁーっこいい!
そして、オルファンとの直接対話を講じると言う。これでクライマックスへの縦軸か?
うーん。26話と言うのは短いなあ。しかし、海のトリトンに比べると格段に引き締まってる。ブレンパワードには無駄な話が一つも無い。というか詰め込みすぎでハイテンション。
面白すぎる。





個別ツッコミ。
国連総会での反応も面白いし、それに対するノヴィスクルーの反応も面白い。
ゲイブリッジの動静については気にならないのか?
アイリーンは政治的な事になると疎い女性なのかもしれないらしい。
アラブのお坊ちゃんであるモハマドが 「各国の政治体制が機能停止しているから、宗教的解釈に寄り掛かるしかないのだよ」 という、神に対してクールな見解を示すとは驚きだ。
ただの金持ちの俗物ではないし、イスラム原理主義でもないんだな。僕はムスリムはみんな原理主義者だと思いがちだが、反省。金持ちになると余裕が出るのか。宗教は「民衆の」アヘンなのかな。
孤児たちを正義にしようという発想も賢いな。


・孤児たちと話すユキオなのだが。小説版を読むと、「言葉が違うなどと言う事は顔を突き合わせていればたいした問題ではない」らしい。
ちゃんと違う言葉を話す世界なのか。てっきり共通語かと。子供たちは現地語で、高校生くらいになるとそれなりに英語が喋れるのだろうか?
まさかみんな日本語じゃないよな。
つか、ソロシップ・・・。


・カント!てっきりコモドだと思ったんだが。カントきゅんのスーツは女物。スカートの下に半ズボンとか、狙いすぎだろトミノ。前世紀から女装少年萌えを描いていたのか。変態だな。
カントきゅんはニーチェを超えているらしい。あんな美少年を喪男ニーチェと比べるのは失礼だと思う。つか、生物科学者と哲学者ですよ。まあ、名前がカント・ケストナーだからなあ。


・ジョナサンが手を乳首に置くポーズをするのはリクレイマーの中で本心を隠している時のようだ。バロンの前ではリラックスしたポーズをしていた。
あのポーズは自分は武器を持っていませんよ、と言うポーズであり、面従腹背の象徴なのかもしれん。


・研作博士は実務家と言う印象。


・ブレンの耳は柔らかく曲がる!じゃあ、スリット・ウェハーの剥き出しのコックピットに座ってもお尻は痛くないのかな。柔らかく包み込んでくれるようだ。ブレンかわいいだろ。


・オルファンと植物。光合成は命の源なのね。深海に居た時はハオリムシを活性化させていた?クジラが集まっていたのは老廃物をえさにしていたと言う事もだが、そういう活性化的なものがあったのかもしれん。