玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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∀ガンダム第12話「地下回廊」

脚本・星山博之 絵コンテ・横田和 演出・杉谷光一 作画監督うのまこと
コレン関係は星山さんの係なのか?
最近は、フィルムブックを読んでる。大分昔のものだが。9年。
フィルムブックはうがち過ぎなところもあるが、内部情報とか解釈で僕が気づいていなかった所が書いてあると悔しくてぐぬぬとなるのがガノタっぽいところね。
あきまん氏のインタビューによると、ターンエーガンダムのキャラの衣装は19世紀〜20世紀初頭風にまとめてあるけど、実際のターンAガンダムの世界の人が本当にそう言う服を着ていたかは別問題らしい。20世紀の視聴者人類に分かりやすいような記号化であるというらしい。ムーンレィスの奥方の妙なセンスのドレスとかもそうか。
それは合点の行く見識だな。私もSFファンタジーを書くときは、世界観や言葉を無理にオリジナルにしなくても、「現代地球人日本語吹き替え版」っていう意識でやってたりするので、そう言うところは共感できる。
が、ターンエーガンダムのアニメを見た時に一発でそれを了解できなかった自分に、ぐぬぬ
あと、フィルムブックでのあきまん氏は「今のアニメーションは例えばキャラクターの目も、別人なのにタッチが全て同じになっていることが多い」「今のアニメは、目の違いと言ったつまらないことさえも許容していない」「今のアニメのキャラの区別がつかない。髪の毛の色が違うとかはキャラクターの違いではないし全く関係ない」「普通の人や暫くアニメから離れている人が見ても区別がつくキャラクターを作らなくてはいけないな」「富野監督の演出はマンガみたいな*1絵の時に一番能力を発揮すると思っています」
という。
その後にオールハンコ絵のガンダムSEEDを大ヒットさせるんだからサンライズはすごいな。
ま、富野アニメ以外は登場人物を絵柄の近いキャラクターのグループに絞って視聴者層も絞るって言う手法かな。


まあ、夜も遅いのでさらっと3点限定感想書いて寝る。
全部書くのはやめよう。

  1. 萌えポイント

ディアナ様が可愛すぎる。
そして、ディアナ様に振られたコレンが可哀想過ぎる。
ディアナ様は千年100回初恋を繰り返しているという恋愛の記憶を上書きしまくり女王様なので、捨てられた男たちが酷い事になって行きます。
コレン・ナンダーは軍の中でもはみだし物で規律に縛られたフィル・アッカマン大尉やハリー・オード中尉に良いように使われたりアグリッパ・メンテナーとディアナ・ソレルの間に立ってたりという立場で、ディアナ様がアイデンティティーの最後のよりどころだったりする。が、「女王様のために戦った」と言うコレンにディアナ様は「勝手な事を!」で、処刑。
うわー。
で、ディアナ様のすごい所はそれを「よしなに」善意で行なっている所だ。
今、甘い蜜の部屋を読んでてやっとこさ終盤なんだが、主人公の美少女モイラは終盤では悪意を持って男を捨てて行くんだが、ディアナ様は悪意を抱くとか攻撃しようという意識もなさそうなのが、もう、ね、うわあって。
富野監督によると、その時々の愛とその時々の欲望を充足したいという人だそうです。
その時々では、きっと本気で愛して、本気で取りに行ってるんだろうな。今はロランが一番可愛い時期。
初恋で周りが見えない状況を1000年繰り返して、それでも毎日老成したり飽きることなく景色に感動したり素っ頓狂な冒険をしたりするディアナさまです。
すばらしすぎる。
あがめるしか!
つうううううううううきのたまよおおおおおおおおおおおおおおおおおっ
うーん。女王様としてよく出来た人というよりは少女としてすごい。しかも、大人に成らない少女や死なない女や異常な美貌の美女は化け物で歪んでいる、という感じでもなく、そういう体質で長生きだとしてもディアナ様はディアナ様として生きてて、膝枕して貰ってるロランが非常に羨ましい。

いや、ロランが良い子でたくましく勇敢な少年だからディアナ様も膝枕したいのだ。表情的には、敵地で一人ぼっちで、情の篤いコレンを自分が切り捨てたっていう状況でロランに頼りたいって言うニュアンスも在るんだろうか?
うむ。少女だなー。
コレンに対しても憎さだけではなく、やはり情はあったっぽい。だけど、今はロランが可愛いから、コレンには銃を向ける。コレンはロランに負けたのを認めたくなくて殺そうとするけど、負ける。恋の話ですね。
SFって言うより、恋愛も絡んだ人生アニメという感じです。そこらへんはやっぱり富野ガンダム
西城秀樹の挿入歌はあまり記憶に残ってなかったが、今見ると素晴らしい恋心だな。
ディアナ様がロランにスカートを裂いて包帯にして下さるのはマンガ的には良くあるラブラブフラグの場面だが、キエルお嬢様のスカートは超お高い物だと思うので、使用人のロラン・セアック的にはありえない場面だぞ。バチも当たるって。
しかし、ディアナ様に萌えるロランの視点でもときめくし、ディアナ様から見たロランも素敵なので、もう、悶えますな!



あと、今回、リリ・ボルジャーノ嬢が1話以来の再登場(?)です。
小林愛氏はまだアフレコ馴れして無い感じで、カナン・ギモスの頃の朴璐美氏のような性質に聞こえたり。劇団員っぽいイントネーションも。
ま、それはそれとして、リリ嬢とグエン・サード・ラインフォード卿の会話シーンの音楽の使い方が素晴らしい。「Lily〜月を見ても咲かない百合」というリリ嬢のテーマ曲が、彼女の性質と魅力をいっぺんに伝えてる。んで、やっぱりオペラっぽく、軽快かつ怪しい弦の主題のリフレインに合わせた二人の会話のやり取りがリズミカルで、領主の跡取同士の恋愛だけではない、ちょっと芝居の入った密談という緊張感も在り、いいネー。
うーん。
ガンダムの演出についてはなんか私も妙な語り方をしちゃいますね。謎です。
趣味か!


あと、男を強調しているコレン・ナンダーがブルーノ・ヤコップに命令する時に微妙にオカマっぽい口調になるのは、フレディー・マーキュリーっぽくもあり、叫ぶ顔はクリムゾン・キングの宮殿すぎる。
っていうか、富野監督もオカマっぽいし。そういうメタファー?
設定書で「監督コレンに破壊されたボストニア城」って書いてたりしたらしい。
ガンダムへの恨みとか?
監督が入れ込んだら、死んでもいいキャラクターとして設定されたコレンなのに、ものすごくドラマに絡んでくるじゃないか。
っていうか、ターンエーガンダムってコレンの物語としても見れたりする。シド爺さんですら研究一辺倒だった人が技術の恐ろしさを知っていくって言う話でもあったりして、誰にでもフォーカスできてすごいな。

  • 燃えポイント

メカです。
ホワイトドールの掌にしがみついているディアナ様がステキ過ぎる。
そのヒゲの指ですけど、ヒゲの指はガンダム随一のディテールだ。指だけじゃないけど。
んで、指の掌側は凸の並んだ部品で、その隙間が縮まって指が曲がるって言う、ブレンパワードを洗練させたような構造なのかな?って思いました。
でも、お嬢様をずっと手に乗せているのは危険じゃないか。
ヒゲが岩の下敷きになったり、地下で転んだりするけど、お嬢様が全然平気なのはやっぱりIフィールドバリアみたいなものがあるのか?不用意にコックピットから降りたロランは転んで怪我するけど。
でも、あの地下空間でモビルスーツが転んだり立ち回りをしたら、振動と土煙で人間は何も出来なくなりそうなものだが、そこら辺はディアナ様の芝居優先か?Iフィールドのミノフスキーは防塵効果もあるとか?(笑)
エヴァンゲリオンならもっと派手に煙や炎を上げて、巨大感を強調した特撮っぽい撮り方をしそうな戦いだったけど、ターンエーガンダムモビルスーツ戦よりも恋愛の戦いを優先したから、チャンバラとしてはちょっとあっさりしてたかな。
ヒゲがイーゲルをかわして突き落とすのもちょっと流れてたかも。
あ、でも、サーベルとドリルの鍔迫り合いは面白かったか。9話で、ミンチドリルはビームサーベルに切断されたけど、鍔迫り合いが出来たのはIフィールドバリアでも仕込んだか?
ターンエーガンダムの戦い方は一撃必殺に近い達人だったりするから、逆に戦闘自体は短い。


それと、今回印象に残ったのは、イーゲルが穴に落ちた時に操作しないで反射的に頭と尻尾を伸ばしてつっかえたり、ヒゲがイーゲルに踏みつけられた時にコックピットのロランが自分の頭を手でかばったら、ヒゲの腰の装甲であるコアファイターの翼が飛び出してコックピットが直接蹴られないようにガードしたり、っと言ったような、モビルスーツの反射的行動が面白かった。
そういう地味なところで性能をアピールされたらたぎる。
やっぱりサイココミュニケーターで機体と連動してるよなー。F91よりもすごく未来の機体だし。


で、派手なところでは今回、ターンエーガンダムはトベルーラを覚えた!なんか、浮く。エンジンで飛ぶとかじゃなくてなんか光ったら浮く。やばい。


ターンエーガンダムはやっぱり厨過ぎる。ガンダムセンチネルの人もνガンダムに対して「本家の富野だからできる無茶苦茶な厨機体」って言うし。
しかも、ターンエーガンダムの最強厨なところはアニメ本編でも大概無茶苦茶をやってるのに、「実は本当の実力の10%以下かも知れんぞ・・・」というのがすごく厨臭い。書かないことで余計厨ップリを高めている。






モビルスーツの融点がマグマよりも低いかどうかは謎です。沈んだだけでも回収不可能だが。




ブルーノが「地熱反応が高いけど、レールガンを撃ってもいいのか?」って言うのはやる気があるけど頭の悪いブルーノにしては頑張って考えたじゃないか。まあ、撃つけどな。

*1:グダ注記号の差異がハッキリした