不眠症を治すために無理やり朝に起きるようにして、ウォーキングしたら、くっそ眠い。
日中はとりあえずソシャゲのタスクを片付けるためにゲームしてて執筆が夜になる。しかし夜に執筆すると不眠症が。
とりあえず雑に書く。
スパイダーバースを見たあとに仮面ライダー平成ジェネレーションズ2作をビデオ屋で借りてきて見た。やっぱりアカデミー賞が取れなくても、僕にとってのヒーローはアメコミのスパイダーマンではなく仮面ライダーだとわかった。
で、不眠症の治療とゲームのせいでスパイダーバースを見た翌日に見たのに感想を書くタイミングがなく時間が立ってしまった。でもまあ、ざっと書く。
まずエグゼイド、ビルドの平成ジェネレーションズFINALの感想
- 怪人がちゃんとしてる
スパイダーマン:スパイダーバースだとヒーローが全員スパイダーマンだったので違う次元から来ても能力が同じだし、「この怪人にはこのヒーローのこの技じゃないと」ってのが薄いと僕は不平を言った。
仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL、スパイダーバースより前の年の映画だが。初っ端から「仮面ライダービルドの世界に来たエグゼイドの怪人はビルドでは倒せない」っていうのをやってて、我が意を得たり。
敵は大槻ケンヂ。スパイダーバースの敵は家族に会いたいという気持ちだったけど、大槻ケンヂは普通に「不老不死になりたい」という綺麗さっぱりとした悪役だったので分かりやすかった。でも、大槻ケンヂ、わりと歌でも語りのパートがあったり、特撮っていうバンドをやってたりしていて悪役の演じ分けや悪役っぽい演説とかがすごくうまかった。
- ヒーローの成長
実は仮面ライダーはゴースト、ドライブ、エグゼイドがなんとなくコメディっぽくてチャラチャラしてると思って見てなかったのですが。(電王もモモタロスが同族のイマジンをボコるのがイマイチ納得できなくてあんまり見てない)
ただ、仮面ライダービルドの桐生戦兎が好みのイケメンだったのでビルドから見た。ビルド、天才物理学者なのにラブアンドピースのために戦うという性格付けが好みでしたね。天才物理学者だし理屈っぽいけど、ジョークも好きって言う。(まあ、ビルドはラスボスも悪い意味でジョークが好きだったけど)(で、戦兎は明るい天才として自覚的に振る舞ってるけど、闇もめっちゃ抱えているというペーソスも好き)
あと、ビルドの戦兎は賢いけど、残り3人のライダーはバカとドルオタのヤンキーと親のコネというバランスで男同士がワイワイ悪口を言い合いながら親睦を深めたり殴り合ったり助け合ったりするのが好きだったので。
あと、桐生戦兎の正体がわりと嘘くさいというか、嘘だけど綺麗事を本当にしたいよねっていうクウガイズムの後継者だったので、好き。
そんで、スパイダーバースでは中学生のスパイダーマンが大人のスパイダーマンの先輩を見てスパイダーマンとしてやっていくつもりになるけど。スパイダーマンは割りと社会の偉い人とかメディアにも認知されている。グッズも出てる(これはForeverの方に近いのだが)。なので、アメコミのヒーローは街の治安維持という社会性に組み込まれている面もある。(そもそも犯罪を起こさない行政にしろって話でもあるが、カウボーイや保安官が治安維持をしていたアメリカ文化があるのか)
FINALの仮面ライダーたちは誰に頼まれたわけでも、誰かに感謝されたりするわけでもないのに戦う。そもそも仮面ライダーって社会からはみ出た化物がたまたま正義の心を残しているっていうアレだし。で、FINALの映画の時点でビルドのTVシリーズ前半でまだ戦う覚悟が固まっていなかった万丈龍我(仮面ライダークローズ)が「なんで先輩仮面ライダーは戦えるんだ?」って悩むのだが、万丈は馬鹿なので、特に理由を名言化せずに戦う覚悟を決める。
なんでかっていうと、多分、「仮面ライダーはかっこいいから」だと思う。社会を良くするためとか困っている人を助けるためとか、まあ、ヒーローには色々理由がある。
仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALにはオーズ、フォーゼ、鎧武、ゴースト、エグゼイドが平行世界からくる。特に説明はない。まあ、平行世界をいじる悪役の影響?っていうのはスパイダーバースにも似てるのだが、フォーゼはちゃんと就職したけど、鎧武はまじでどうやって来たの???とか、アンクゥうううう!!!!とかある。
スパイダーバースのスパイダーマンは全員似たような人生を送っているから似たような理由で街を守るヒーローする、みたいな感じなのだが。
仮面ライダーは全員違う事情だし、違う思想。オーズの「手の届く相手を助けたい」っていうのと、フォーゼの「ダチを助ける」っていうのと、鎧武の「星に感謝」というのと、ゴーストの「人類の可能性」っていうのと、エグゼイドの「患者を助ける」というのは、助けるのは助けるのだけど、微妙に個人個人の思い入れポイントは違う。
違うのだが、仮面ライダーは正義の味方なのだ。事情が違うけど同じ敵を倒すためにがんばるっていうほうが僕は好きだなあ。まあ、マーベルはそこら辺の違う境遇のヒーローたちはアヴェンジャーズでやってるのかもだけど。
実は僕はヴィランっていう言い方が嫌いなんですけど。(なぜなら仮面ライダーシリーズや勇者シリーズやメタルヒーローシリーズは敵が味方になったり、ヒーロー同士が戦ったりするので)
アメリカのヒーロー物はライトサイドとダークサイドが別れていて、ライトサイドの正義は一つって感じなのかなあ。日本のヒーローは正義の味方であって、正義そのものではない、という川内康範イズムがある。なので、ヒーローのモチベーションの理由には色々と違いがある。という点で、日本のヒーローのほうが多様性があるのかもしれないけど、僕が単にアメコミをそこまで読んでないしアメリカのヒーローの映画を見てないだけかもしれない。(あと、アメコミは戦前から同じヒーローを違う人が書き続けているけど、日本のヒーローは粗製乱造と言われることもありつつ、毎年違うテーマや新しいおもちゃのギミックを発明してたくさんのヒーローを作り続けている、というちがいもある。)(いや、まあ、そこもアメリカのコミックの裾野を僕が観測してないってのもあるんですが)
んで、客演だけど仮面ライダー個人個人の見せ場や、アンクゥ!とか御成!とかアンガールズとか神とかサブキャラとのドラマがあった。それはTVシリーズを見てない人には不親切でオタクっぽい映画と言われても仕方がないのだが。でも、仮面ライダーはTVシリーズの積み重ねがあってこそ映画ではっちゃけられる面もあるので。
(ゴーストとエグゼイドは見てないけど御成と神のネタは見てたのでなんとなく察した)
そんで、そういうぜんぜん違う仮面ライダーたちを見て、万丈は「悪くねえ!」って思って変身して仮面ライダーになる。
やっぱり仮面ライダーはかっこいいので仮面ライダーになりたいよなあ。というか男の子はやっぱりかっこよくなりたいので。
僕もハンドルネームがヌ・リョウグ・ダとグロンギ怪人なのだが。ネットデビューしたのがクウガの年だったので。
(僕はクズなので正しくて強い五代くんよりダメダメな蝶野さんに感情移入していた)(でも学生時代は毎晩マイティキックの練習をしてブロック塀を蹴っていた)
実はスパイダーバースのマイルズがなんでスパイダーマンを続けることにしたのか、1週間経つともう忘れてきたのだが。
仮面ライダーがかっこいいので仮面ライダーになりたいという気持ちは日本人としては説明されなくてもわかる。
(あと、仮面ライダービルドのテーマとして、悪に作られた実験動物としての仮面ライダーだとしても愛と平和のために戦う正義のヒーローになることができるっていう性善説がある)(悪い政治家とかは出てくるけど、メガネの内海成彰とか頑張ってたし)
というか、サイクロンから続く、あのバイクのエンジン音の時点で「仮面ライダーかっこいい!」ってなるので。
あとガンガン火薬やガソリンを爆破させながらその中をバイクで疾走したり、バイクで怪人を轢いたり、車が爆発するのがすごく好き。子供の頃からオタクだったので、メタルダーをビデオにとってコマ送りして「このタイミングでここに埋めてある発破が爆発する」とか見てた世代なので。
あー、仮面ライダーかっこいいよなー。
オーケンを結局ボコボコにするのだが、そこも単純に力で勝つんじゃなくてビルドとエグゼイドという高学歴ライダーらしい作戦勝ちでかっこよかった。まあ、「この怪人にはこのライダーの力が効く」理論なので、ライダーの力を行き来させていて、ちょっと子供には仕組みが難しいシナリオだったかもしれないけど。(スパイダーバースはコンピューターにUSBを刺したら勝ち、だったっけ)
でもまあ、ビルドとエグゼイドが敵のカイザーより一枚上手だったってのは子供でもわかるからそれでいいか。
スパイダーバースは映画として映像表現が先行していて、各スパイダーマンも各メディアの代表という感じだった。なので、各スパイダーマンのドラマは薄かった。(原作コミックは濃いらしいけど)
主人公も、まあ、思春期がヒーロー体験することで学校や社会に適応する話、みたいなところがあった。
仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALはちょいちょい本筋と外れたところでゲストライダーのドラマを入れ込んでいて、そこが異物感はあるものの、(やっぱりアンクは重要なんだよなあ)仮面ライダーはかっこいいので見ていて退屈しない。いろんなライダーがいろんなことをするのが映画の流れとしてもテンポやテンションのアップダウンで退屈しなかった。
(スパイダーバースはスパイダーマンが増える前の日常パートが1時間位あって、グラフィティが好きな人には悪いけど、僕は退屈だった)
怪人がいつもと違うふうに発生したり、増えたり、犯人を突き止めたり、解決法を探ったり、推理モノみたいなところもあって退屈しなかった。
でもまあ、やっぱり見た目の豪華さはスパイダーバースのほうが派手だし予算もかかってる感じだった。
しかし、もうこれは日本人だからなのか、僕がスパイダーマンより仮面ライダーの方をずっと見てた経験値の偏りだからなのか、わからんのだが。
CGじゃなく着ぐるみのライダーのバイクが爆炎を背景にジャンプしている絵があるだけで最高です。平行世界の理屈とかはあんまり関係ない。
っていうか、スパイダーバースは子供向けではないって富野監督が言ってたけど、仮面ライダーは子供向けなので。映画でドラマチックなことをしたり、平行世界とか難しいことを言ったりしても、やっぱり変なグッズのベルトとかオモチャ感のある武器で戦います。
いや、真剣に演じているしふざけているわけではないのだが。でも、そのオモチャ感の中にもかっこよさはあるので。(まあ、ビルドのドライバーの取っ手は変身し終わったあとは用済みなのに横に出っ張っているので格闘の時にうっかり引っかかりそうだなあとは思う。)
そういうわけで、僕はおじさんですけど、子供のような気持ちで特にドラマ性とか説教臭さとかは関係なく、「あー、仮面ライダーがかっこいいところをたくさん見れて良かったなー」という感想です。
スパイダーバースのようにいろいろな白黒映画とかカートゥーンやCGや実写やアメコミなどのメディア表現で芸術点を出したりはしてないのだが。
しかし、やっぱり各仮面ライダーが街とかダムとか廃工場とか川とか森とか採石場とか、(まあ、いつものロケ地といえばそうなんだけど)色んな場所で戦って、その場所らしい撮影の角度とかライティングとかをしているのもかっこいいと思う。
あー、あと映画としては邪道なんですが、ニチアサっぽく字幕をONにしていると誰が喋っているかが表示されていて、それでどのフォームに変身しているのかわかって親切設計だった。ゲストライダーだけど、細かくいろんなフォームを見せてくれて楽しかったなあ。
僕は仮面ライダーになることもなく、ダグバから逃げてインターネットの片隅で電気羊種怪人として、チリンの鈴のようなどっちつかずの異端者としてフラフラしているのだが。怪人だからこそ仮面ライダーが眩しく見えるってのはあるよね。
だから、映画としての優劣はまあ、一般的にはスパイダーバースに軍配が上がると思うのだが。オタクのおじさんとしては「仮面ライダーがかっこいい」「ちゃんと敵をかっこよくやっつける」という点で平成ジェネレーションズFINALの方が好きです。
これもオトナ帝国なのかもしれないけど。でも、桐生戦兎はおじさんから見ても男前だと思う。万丈との関係もなあ。あと、戦争編の前なので髭がパリッとしている。ビルドは20代だけど割りと大人の男の人間関係があって、おじさんも見やすい。ヒゲのおじさんのキツさとか。バーベキューとか。
ペニー・パーカーちゃんよりもライダーの男たちの感情のぶつけ合いが僕は好きなのかもしれない。(この映画ではぼかされているが、実はこの映画のボスのオーケンが桐生戦兎のかつての師匠だったが裏切ったとか)
ガンダムとか梶原一騎とか、男たちの感情のぶつけ合いのコンテンツが好きなんだなあ。(本編ではヒロイン?の美空とエボルトをめぐるなんやかんやもあったわけですが)
まあ、ペニー・パーカーちゃん、特に本筋に関係ないゲストキャラなので期待しすぎた面もある。
そういうわけで、スパイダーバースと似たような内容の仮面ライダー平成ジェネレーションズFINALですが、ライダーの方が好きということです。これはやはりどちらの文脈を共有しているか、ということなので、公平な判断ではないのですが。
Foreverの感想も書きたかったけど不眠症治療のためにここでストップ。
※追記
nuryouguda.hatenablog.com
仮面ライダージオウの第1話の時点で仮面ライダーの「文脈」をテーマに記事を書いていた。やはり文化の文脈が面白さに影響するのはあるよなあ。
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