ガンダム Gのレコンギスタ第18話「三日月に乗れ」の2周目の感想です。殺人考察シリーズでは、ベルリの戦闘行動について分析しますが、今回はベルリは誰も殺していないので、大して書くことがないかな、って思いましたが、参照画像が100枚を超えたのでAパートとBパートに分けます。
放送当時の感想
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前回の殺人考察
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なんで参照画像が100枚を超えてしまったのかというと、今回はベルリが殺人を犯さないにしてもたくさん戦闘をして、しかも状況が二転三転して、端的に言えば慌ただしいからなのです。
今回は、放送当時の感想でも割りと実況に近いことをしているので、2周目の感想ではあまりダブらないようにしたいのだが。2周めだからこそ気づいたことは入れていきたい。(実際には50回位見ている)
このシリーズはベルリの殺人考察なので、それ以外の部分で本放送の時の感想で記述した部分は申し訳ないが省く。
だから番組の流れとして見たらメガファウナがクレッセントシップに乗るぞ!ってなっている今回の話は唐突に見えるんだが、「先週と今週の間に段取りは済ませた。アニメでは動く所だけ描きます」という編集しぐさだと思えば、少し許せる。まあ、トリッキーな演出だというのは仕方ないんだけど。
と本放送の時に書いたのだが、前回の第17話でクンパ・ルシータ大佐とロルッカ・ビスケスさんの会話を聞いたアイーダさんが個人的に「金星のヘルメス財団の本部に行きます」と決めたのが、第18話の冒頭ではいつの間にかメガファウナ全体の総意になっているように描写されている。アイーダさんがどうやってメガファウナのクルー全員を説得したのかは描かれないのだが、どうも今回はスピード感を意識しているようで、段取りはすっ飛ばされている。
前回は各陣営が総出で隕石のゴミ掃除をしていたが、今回は全く逆で各陣営がG-セルフの奪い合いに出ていて、敵対していて、前回とは全く違ってしまっているように見えて、視聴者としては面食らう部分がある。が、丁寧に見ていくと、そこも富野演出の「しかけ」だと思える。
- フィルムに沿って見ていく
才能がないので包括的に感想やメッセージをまとめることが出来ないので、時系列順にベルリのお気持ちを汲み取っていく。
この「三日月に乗れ」と言うタイトルコール、石井マーク氏の声が少しかすれていて、「あ、中盤で調子に乗って、慣れで芝居をして、ここらへんで監督に説教を食らったんだな」と思える。いや、具体的にはわからんけど。石井マークさんも途中で慣れたところを監督に説教食らったとGのレコンラジオで仰ってたので、ここらへんかな、と。
- 時間経過について
前回、隕石のゴミ掃除を皆でしたけど、すべての土砂を取りきったわけではなく、メガファウナはその土砂の中に隠れるようにトワサンガのシラノ-5を周回している。そうしている間に、トワサンガの反政府勢力のレジスタンスのロルッカとミラジから補給も受けている。
と、前回から時間経過があるという暗示がなされる。メガファウナがシラノ-5の周回軌道から大きく動いていないので、何日くらい経過したのかは不明。
メガファウナへの補給物資の整理やモビルスーツの格納庫の在庫整理をベルリのG-セルフやノレドとラライヤがしている。
ここで注目ポイントは「ベルリが疲れている」ということです。グレートメカニックGの富野由悠季特集でも、富野監督の証言として、
MSでとても重要なことは、人型で擬人化をしているから、すべてメカ論で終わってしまうとわかりにくくなってしまいます。G-セルフでいえば、キャラクターの”僕は疲れた”という表現と、MSのエネルギー切れがリンクしているということですね。(初出グレートメカニックG2015夏号)
という言葉が出ている。富野監督の中でも、Gレコではベルリの疲労が重要ファクターとして描かれていたようだ。
僕はグレートメカニックGは全部買ってるわけではないので2015年のこの証言は2019年夏号のおさらいで知ったのだが。
僕の「ベルリの殺人考察シリーズ」の論考では「殺人や戦闘行為によるベルリの精神的疲労」をメインの注目点として書いてきた。戦闘はスカッとするものではなく、心の傷や疲労になる、というふうに描いているのがGレコだと思っている。(なので、勧善懲悪なスーパーロボットでスカッとする作品ではない、という難しさもある。ファーストガンダムはもうちょっと暴力でスカッとする場面が多かった)で、今回のベルリはラライヤやノレドが見てもわかるくらい、疲労している。
ここで「おかしくないか?」と私は気づいた。何故かと言うと、前々回の第16話「ベルリの戦争」はベルリがガランデンとガヴァン隊に喧嘩を売って殺人してストレスを貯めている。で、前回の第17話「アイーダの決断」ではベルリは土砂災害が起きていてもストレスが大きすぎて「寝逃げ」していた。しかし第17話の後半で他の陣営と連携した土砂掃除をする中で、人間への信頼感を取り戻し、ストレスを解消していった、という「リハビリ回」なのが前回なのです。疲労が回復すべきリハビリ回の後なのに第18話の冒頭でベルリがすでに疲労しているというのは、構成としておかしい。つまり、時間経過が第17話と今回の第18話の間にあったと匂わされている。
- ガヴァン隊の態度とロックパイの新型機
第16話でガヴァン隊はG-セルフにボコられて、第17話では出番がなかったのだが、今回は率先して地球人のメガファウナに攻撃を仕掛けようとしている。
また、マッシュナー司令が軍服を半分脱いでシャワーを浴びた後のようなのも、時間経過を感じさせる。
そんなトワサンガ地域警護隊のガヴァン隊を止めようとするトワサンガの別の派閥であるドレット艦隊のロックパイの新型機・ガイトラッシュはまだ組み立て途中、ということで、ここも時間経過。
G-セルフ争奪戦が各陣営の総意のようになっているのも、時間経過を感じさせる。第16話でG-セルフの戦闘力を示しすぎたとラライヤが言っているが、それが問題視されているのは土砂掃除をしていた第17話ではなく、その後の第18話。
「G-セルフも確保しておけば」
ここで、前回でメガファウナに侵入したときと、クンパ大佐の服装が細かく変わっていることにお気づきだろうか?
やはり、時間経過を感じさせる。
偵察に出ていたリンゴとケルベスの会話でも、クレッセントシップはアイドリングに日数をかけているということで、さり気なく時間経過を描いている。
こういう風にアイーダさんが姉であることをラライヤとノレドに話せるようになったのも、第16話でキレまくっていた時からは時間経過を感じる。
そこで、ノレドが「ベルは天才でもないしタフでもないんだよ」と(実際にはベルリは天才なのだが)、クリムやマスクと比べて心配してくれている。
心配してもらっているが、前回の第17話ラストでアイーダさんが金星に行くと決めたことを応援したいということを落ち着いて決意している。
アダム・スミスのようなデッキクルーのレベルでも、金星行きのために準備をしようという意思統一は出来ている。前回ラストでアイーダさんが一人で決めたことなのに・・・。ここに編集と週刊放送のマジックがあるのです。
クレッセントシップに接近すれば攻撃はされない!と、CG図解も交えて艦長が説明してくれる。Gレコは不親切な演出と言われがちだが、何を盾にするのか、とか、何を攻撃したらヤバいのか、ということはキャピタル・タワーやザンクト・ポルト編でも割りと図解も交えて説明してくれている。それでも分かりにくいと言われるのは、やっぱり展開が早いからだろう。アイーダさんが前回ラストで一人で決めたことを、今回はメガファウナの総意に成っている。
- 軍規の優先順位
今大ヒット中の新海誠監督の「天気の子」で「大人になると大事なものの順番を入れ替えられなくなる」という台詞がある。
トワサンガのドレット艦隊のロックパイもスコード教を優先順位の最高として認識しているのだが・・・。
「流れ弾がカシーバ・ミコシに当たるようなことがあってはならない」
露骨にガヴァン隊とドレット艦隊は対立している。(ミノフスキー粒子をまいたら力づくで・・・、という発言はミノフスキー粒子を撒く前なのでドライブレコーダーや通信記録に残っていて後々政治問題にならないか?とも思うのだが)アイーダさんもガヴァン隊と対立するように出てきたドレット艦隊のロックパイの新型機を中心としたMS部隊の動きを変だと感じている。とにかく、今回はトワサンガもガヴァン隊とドレット艦隊が対立して競争して、そして地球人の陣営もガランデンのマスク部隊とサラマンドラのクリム部隊がこぞって対立してG-セルフを奪いに来ている、という流れ。
前回は各陣営が土砂掃除という名目で連携したのに、今回は内輪もめを含めて対立しまくっているので、前回と経路が変わって見えて、おかしく見える。
なんでおかしくなったのだろう?
- キング・クリムゾンの世界
「だからガランデンがG-セルフを破壊しようとしたので、連行するつもりに成ったのです。」
……。
ガランデンがG-セルフを破壊しようとしたことは、一度もない!
マジで。
ガランデンが出たのは第7話からだが、
第7,8回でのマスク部隊は海賊部隊の拠点を潰すのとG-セルフの「奪還」を目的にしていた。
第9話のマスクは敗走の途中にメガファウナと遭遇戦をしただけ。
第10話はベッカーのウーシァ部隊がG-セルフとベルリとラライヤを「奪還」しに来た。
第11話でもマスク部隊はG-セルフを破壊ではなく「奪取」しようとした。
第12話はマスク部隊がザンクト・ポルトに迫ろうとするクリム部隊に対して攻撃して、アサルトパックで長距離攻撃するG-セルフには関心を持たなかった。
第13話ではマスク部隊とクリム部隊とG-セルフとグリモアが白旗作戦を共同で実施して失敗した。
第14話のガランデン部隊の行動は、メガファウナではなくトワサンガのギニアビサウにマスクのマックナイフが肉薄して、メッセージを届けた。
第15話はガランデンが出ず、ベルリとロックパイのアリンカト部隊との交戦が描かれた。
第16話では、ガランデンを警護していたガヴァン隊にベルリがG-セルフで喧嘩を売った。
第17話ではマスク部隊のビフロンの試験運転中にメガファウナから出たラライヤのネオドゥが衝突して交戦になったが、G-セルフは戦闘には参加せず、お掃除作戦から参加した。
というわけで、ロルッカ・ビスケスさんが「ガランデンがG-セルフを破壊しようとした」という事実はフィルムには残っていないのです!!!!
ここまで「第17話と第18話の間に時間経過があった」とか「ベルリの疲労がたまるのがいつもより早い」と書いてきたのですが。(これまで、ベルリが疲労するのは殺人を犯した後だと論考してきた)
どうも証言と証拠のフィルムを分析するに、前回と今回の間に「ガランデンがG-セルフを破壊しようとした戦闘」があって、しかもそれが視聴者に対して省かれている!という推理がなりたってしまう!
正直、ちょっと引く。
この時間経過の飛びに気づいたのは、ベルリの疲労や戦闘スコアを血の一滴一滴を見るポルナレフのように観察していたからなのですが。
追記・また、Gレコでキング・クリムゾンが発動したのはここだけではなく、第6話でG-セルフがデレンセンのエルフ・ブルの胴体をシールドで切断して、逃げようとするところを更に殴りに行くのが本編で省略されて、1期オープニングのラストカットに流用されている。
なぜだ!なんでそんなことをする!富野演出にしても邪悪すぎるだろう!と、本放送から5年も経って気づいてしまったなあ!
そういうところですよ!Gレコが一般受けしないのは!
togetter.com
Gレコの何が良くて、何が駄目か、ちゃんと言えるやらず(創作出来ない、ライターや、評論家)は、どんだけいるのかな。 踏絵に使うと、面白いかもしれん。
— 浅利与一義遠 (@hologon15) 2015年1月23日
もう、断言しちゃうと、こういう演出のすっ飛ばしのキング・クリムゾンをかますのが本当に富野演出の邪悪なところだと思える。ファンだけどさあ・・・。5年かけて見ないと気づかないところで重要な主人公の戦闘を一回飛ばして時間経過演出に変えてしまって、それをもってして、各陣営が前回共同できたのに、今回はG-セルフを巡って争うように態度が変わったことの理由にしてしまっている。いや、描いてない戦闘を理由にしてキャラクターの行動の変化にしてしまうの、邪道すぎるだろ・・・。
まあ、ファーストガンダムでもホワイトベースがランバ・ラルのザンジバルと交戦した後、時間よ、止まれとかククルス・ドアンとか再会、母よを挟んでランバ・ラルと決着する間に、描かれなかった戦闘があっただろうなー。という想像はできる。できるのだが、Gレコはホワイトベースと違ってメガファウナが位置としては大して動いてないのに周りの状況が、省略された話と話の間で激変しているというふうに描いているので、やっぱりそれは分かりにくいですよ。
というわけで、富野ファンだけど、こういうことをされると、ちょっとどうかなーって思う。そして、こういうすっ飛ばしをされたと大多数の人は気付いてないけど、違和感だけは感じて、キャラクターの行動がわからない、という感想になってしまうのは、(富野ファンとしては悲しいのだが)仕方がない部分だと思う。
まあ、最大限弁護すると「尺が足りなかった」んだろうなあ・・・。ということで。なんで鉄血のオルフェンズが4クールもらえたのにGレコは2クールだけだったんだ・・・。という恨み節になってしまう・・・。しかし、「Gレコは行間を読む作品」というのはわかっていても、こうして調べていくうちに意図的に省かれたであろう部分を見つけてしまうと、「アニメでこういう手段を使うのか?!」と、驚きとともに、逆に感動してしまうファンとしての自分がいる。段取りをすっ飛ばすのが富野作品の特徴の一つだが、ロルッカ・ビスケスさんの「ガランデンがG-セルフを破壊しようとした」というセリフ一つで1話分の戦闘を省略してしまうテクニックって、普通の演出家はやらない。
こういうところの邪悪さを「ダメ!」と思うか、「こういうこともアニメで出来るのか」と思ってしまうかで、富野アンチになるか富野ファンになるかが別れるんでしょうね。
ガンダムがメチャクチャ売れたからある意味許されているけど、富野監督の演出、割りと邪悪で不条理なことをやらかす部分もある。その毒味に惚れるか、嫌がるか、何だよなあ・・・・。
@tk_takamura 簡単に言うと、世界の窓口となる、主人公キャラクターの植え付けに失敗……と言うか、全く作り込んでいなかった事に、すべった原因があります。 役割としての主人公の位置付けしか無く、全くシンパシーが感じられない。 アムロやシンジにあった『これは俺だ!』感が無いw
— 浅利与一義遠 (@hologon15) 2015年1月27日
あさりよしとお先生の批判では主人公に共感できないというのがあるのだが。まあ、そもそもあさりよしとお先生の歳になって、超未来の17歳ぐらいの学生で天才パイロットの皇子に共感するのは無理だと思う。
むしろGレコのヤバいところは共感がどうの以前に、こういう風に出来事をすっ飛ばして物語の展開を超加速するところだと思う。そりゃ、ついていけない人が出るのは当たり前だと思う。
でも、超加速するのにも理由があって、それはもちろん「尺が足りない」というのもあるのだけど、「宇宙はめっちゃ広いしめっちゃ速い」というスペースオペラをやろうとしたのが今回の第18話だと思うわけなのよ。惑星間巡航宇宙船が出てくる話なので。宇宙船の速さを描写する上で、物語の展開自体もすっ飛ばしつつ早くする。そして、気分として非言語的に速さをなんとなく視聴者に感じさせる。こういうことを思いついてやってしまうのが70代の富野監督というのが、ある意味、邪悪なんだけど、僕みたいな邪道アニメマンとしては「その手があったか!」と感嘆しちゃうのだ。ファンの贔屓目もあるんだけど。つまんねー段取り戦闘より宇宙船アクションをやりたい!段取りは省く!というロケットのぶっ飛び具合は、僕は好きですね。邪道ではあるんだけど・・・。70代にして、映像の原則みたいな教則本を出しておいて、未だに邪道演出を(視聴者が気づかないところで)繰り出してしまう富野監督、ある意味、悪のカリスマのような危険な魅力がある。
- 追記
もちろん、「ガランデンがG-セルフを破壊しようとした」と言ったロルッカ・ビスケスさんがピアニ・カルータと自分の関係とかを隠すために、場当たり的に嘘をついたという可能性もある。前回、嫌味を言いに来ただけのクンパ大佐のことを「ガランデンから来たランチの工作員がG-セルフに破壊工作をしようとした」と言っていた可能性はある。この説だとキング・クリムゾンはあまり発動していないように見えるが、キャラクターが嘘をついてガランデンの行動をわかりにくくしているので、やっぱり邪悪な演出だとは思う。まあ、富野アニメのキャラクターは皆だいたいエゴイストで我が身かわいさにウソを付くことはよくあるのだが。それにロルッカ・ビスケスさんは忠臣に見えてG-セルフでアイーダとベルリを争いに巻き込んだり、終盤でGit団のMSをばら撒いたりするようなやつなので・・・。
- マスクの襲来
というわけで、Aパートの主題はほぼほぼ「前回と今回の間をキング・クリムゾンで飛ばしている」ということで済んでしまいましたが。一応、マスクの戦闘をさらっと見ていく。
メガファウナのアイーダさんを始めとする面々がガヴァン隊とロックパイの編隊に気を取られていたところで、ミノフスキー粒子の目視観測の圏外からいきなりマックナイフがメガファウナの甲板に降り立つ。速い!マックナイフも速いけど、展開自体も速い。ガヴァン隊とロックパイの新型機に視聴者の興味が行ってるのに、そこにマックナイフもぶち込むスピード感。普通やるかな?
でも、ミノフスキー粒子でレーダーが使えない宇宙の速度は気を抜けないんだ!ってバララ中尉が押し込んでくる。ほんと、ミノフスキー粒子下の宇宙戦闘は怖い。小さいMSは見えないのに、戦艦に一気に肉薄してくるので。THE ORIGINでは親切にルウム戦役でレーダーが殺されていく図解を出してくれたけど、Gレコは前フリなく敵戦艦に着艦です。こわっ。
んで、MSも物理的に速いんだけど、マックナイフから出た人がノレドの友達のマニィだった!ということで、人間関係の驚きの速さもぶち込んでくる。
それで、マニィによってメガファウナのハッチが外から開かれるし、ブリッジはビフロンに狙われて、戦況の悪化のスピードも速すぎる。こわいこわい。
ブリッジにビームダガーを突きつけられても、ブリッジチーフのギゼラはビビらずに戦況を分析して、アイーダさんも指揮をテキパキしていく。修羅場に慣れているのか、余計な恐れの描写を省いて戦う。
マスクとベルリの格闘と……
ノレドの友情によるマニィの拉致が同時に描かれる。めっちゃ忙しいアニメだな・・・。
と、思ったらクリム・ニックとミック・ジャックもメガファウナの甲板に突撃してきて、「その格好で格闘戦は無理でしょ!」と、クリム・ニックの「無理でしょ構文」でビフロンに攻撃するのだから、ノレドに捕まったマニィはモビルスーツの格闘戦が行われている甲板から逃げることができなくなり、拉致される。
ベルリにもノレドにも悪意はない。(ていうか、今までマニィが敵のガランデンにいてマスクを助けたいと思っていると言ったことをどう思っていたんだろう・・・。まあ、ザンクト・ポルトの時点では地球人は一旦、トワサンガに対して連合しかけたんだけど)
で、中原麻衣さんのバララ・ペオール中尉は元気にビフロンのロケットキックを飛ばす。
やられるクリム。しかし、その隙きを「なら、パワー半減!」とミック・ジャックのヘカテーのキックが突いてくるので、戦場では一瞬も油断できないスピード感。
(やっぱりバララちゃんは回避が下手くそなのかなあ・・・)
そこを、さっきベルリにボコられたのにちゃっかりマックナイフに乗り直したマスクがたしなめる。
ベルリにボコられたのに、トワサンガの部隊にも警戒しているマスク。
同様に、警戒するクリム。マスクとクリムは仲が悪いのだが、パイロットとしての能力が同じくらいなのか、監督の手癖なのか、同じようなタイミングで息があって見えるところがある。
- クノッソスの接近
メガファウナの地球人たちの戦いを「内輪もめ」と言うクノッソスの艦長はカシーバ・ミコシとクレッセントシップの近くでの戦闘を鎮圧させようという目的で来る。当初は。
マッシュナーもヘルメス財団の使者が見ている前でカシーバ・ミコシにビーム一発かすめたらトワサンガの軍が解体される、というタブーと力関係を認識している。当初は。
でも、Gレコの登場人物はアホなので、気分でやっぱりBパートではジャンジャカ砲撃しまくります。
現在只今大ヒット中の新海誠監督の映画「天気の子」では「大人になると大事なものの順番を入れ替えられなくなる」という大人の台詞があるのですが。そして、その大人もクライマックスの修羅場では大事なものの順番を入れ替えて暴力を振るうのですが。
GレコはTVシリーズなのに、その1話のAパートとBパートでも、気分で大事なものの順番を入れ替えて闘争本能を炸裂させます。
天気の子は狂っている、と僕は評したのだが、Gレコで戦闘にぶち込まれていく軍人たちは特にクライマックスでもないのにノリで狂っていきます。
そういう感情のアップダウンの速さがGレコの付いていき難さなのかなあ・・・。って思ってしまうのだが、富野アニメのスピード感に慣れているファンとしては、これくらいメチャクチャに成っている方がむしろ楽しいって思う。
うーん。まあ、普通のアニメだと、敵の数は減らすよね・・・。今回はG-セルフを巡って地球人のマスクとクリムが争い、トワサンガでもガヴァン隊とドレット艦隊の戦艦とロックパイの新型機ガイトラッシュの部隊が争ってくる。4つの敵が一気に出てくる。
しかも、Bパートで、ものすごい新技を使う敵を倒した後、クレッセントシップに衝突するかどうかというアクションシーンがある上に、クレッセントシップの内部で神秘的な出来事があって、そのうえ、ベルリとアイーダの感情の動きもあって・・・。
なのだから、ものすごく忙しいし、早い。
ただ、やっぱりファンとしては「尺が足りなかった」というネガティブな理由だけでなく、「宇宙はとっても速いし、宇宙船は急には止まれない」という富野監督の宇宙に対するイメージ力の描写でもあると思いたいですね。
まあ、めっちゃ忙しいのはそうなんですけど。主人公たちが立ち向かうべきハードルが1話に何個も出ては次々と出たり引っ込んだりするので、1話につき課題が1個か2個位のアニメと比べると、ワチャワチャしすぎだとは思う。問題作の新世紀エヴァンゲリオンでも使徒は1回に1匹しか出てこなかったのに・・・(日本政府の嫌がらせとかがあったりはするけど)。
でも、オタクとしては富野監督がやりすぎなくらいやらかしたアニメを見たいという気持ちもあったので・・・。
そういうお気持ちも含めてBパートに続きます!Aパートだけでもやっぱり徹夜になっちゃいましたね!正直、とても疲れる。でも、オタクなのでやっていきますよ。Gレコは本当に濃いんだよなあ。
劇場版Gのレコンギスタではこういう時間経過のすっ飛ばしとかは是正されるのか、それともさらにスピードを上げていくのか・・・?
- 目次
「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-
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寝酒が切れそうになってきている・・・。心が壊れているので酒がないと眠れません。
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