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ここに寄せられた富野由悠季監督の回答というかインタビューの感想を短く述べる。
ゲームや家事(冬物の洗濯やら庭木の剪定やら春先なので各種防虫剤の設置やら風呂場の清掃やら)やストレッチ体操をしながらのアニメ鑑賞を終えて、寝る前にウェブ記事でも読んで頭をクールダウンさせようと思ったのだが。
富野由悠季監督の言葉が俺に火を点けた!(飲酒は我慢…)
短い感想で、別にツイッターやはてなブックマークで流してもいいのだが、富野監督のインタビュー記事の宣伝も兼ねてブログに記録しておく。
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- 聞かなくても答えてもらえる
大学生の頃から、Gのレコンギスタ以降の30代まで、富野由悠季監督の旺盛な講演会に何度か行き、何度か質問を採用されて、時に口論に近くなったこともある。
最後に肉眼でお目にかかったのは奈良国際映画祭での逆襲のシャア上映だったか、富野由悠季の世界展での「Gのレコンギスタ第一部 行け!コア・ファイター」上映会だったか。
まあ、ファンレターも含め、講演会などで富野監督に質問したことは結構ある。
しかし、最近は妙に「別に富野監督に直接質問をしなくても答えが来る」という体験がある。
たとえば、奈良国際映画祭での逆襲のシャア上映会で僕の挙手は選ばれず、女性の方が「富野監督は男性なのに、なぜ女性の心理を深く描けるのでしょう」と質問して、富野監督は(要約すると)「女好きだからです」と答えてらっしゃった。
僕はその時、「なんでGのレコンギスタのマスク大尉や逆襲のシャアのシャア・アズナブル総帥のように、異常に殺意があるライバルの男性を常に描き続けられるのですか?疲れませんか?」と聞きたかった。
(ザブングルやエルガイムのライバルは殺意が薄めだったかもしれないけど)
のちに、富野監督がドリカムの中村さんのラジオに出たときに答えを得た。
「劇中でもそうなんですけど」って言ってるので、まあ、逆襲のシャアとかマスク大尉とか黒騎士とかなんですが、「あの野郎ぶっ殺す!」という気持ちがないとフィクションを作るという仕事はできないそうです。
逆襲のシャア、もう、「あの野郎ぶっ殺す!」だけでほとんどのストーリーが説明できるからな…。
僕も文章を書く時、殺す!とは思わないけど、「文章を読んだ人の自然な感想や認識や常識を揺さぶって不安な気持ちにさせたり、ぎょっとさせたい。怖がらせたい」という気持ちはありますね。あと、Gのレコンギスタのベルリの殺人考察シリーズというのを書いて、全話におけるベルリの戦闘行動の意味、ビームライフルの一発一発の意味を考察していったんですが。
あれは確実に出版業界に居場所を見つけたウェブ出身のライターとかアニメ評論家に対する攻撃のつもりでしたからね。出版業界とかウェブメディアって、どうしてもお仕事なので方向性とか文字数とか制限されます。穏当なことを書くようにと言われるし。
Q.なんで富野監督の描く作品のライバルは殺意が強いのか?
A.富野監督は仕事をするときに常に「あの野郎ぶっ殺す!」と思わないと仕事がはかどらないため。
うわぁ…。
まあ、僕も割とそういうところはちょっとある。
- 今回、何となく考えていたこと。
最近(でもないかもしれないけど)、リメイクが多い。スーパーマリオの映画、ボルテスVレガシー、多数のアメコミ映画、ガンダムもリメイクやアナザーガンダムが多い。
また、同時に長期シリーズも多い。
で、最近、考えていたことは「最初に着想をひらめいた作者が死んだ後も、別の人の手によって続いていくコンテンツは、物語としてどうなのだろう?」
ということを考えていた。
まあ、学生時代にも、つかこうへいが演出していないけど、つかこうへいの脚本で演技をする学生演劇とは何なのだろうか?などと考えていたりした。
演劇でもそのように多数そういうものがあり、アニメではドラえもん、鬼太郎、ウルトラマン、ゴジラ、仮面ライダー、クレヨンしんちゃん、おじゃる丸、ベルセルク、その他、海外も含めると非常に多数。(クトゥルフ神話は割とわざとシェアワールドしていたっぽいけど)
まあ、IPコンテンツとか興行収入とかスタジオワークとか、それぞれの作品にそれぞれの事情があり、続いているものやリブートするものもあるのだろうし、それを間違いという権利はもちろん僕にはない。
ガンダムも富野監督はたまたま81歳まで生きてるけど、現状としては富野監督はガンダムに興味を失ったと発言し、ガンダムシリーズは別の人が作っている。そして50年後には多分富野監督が死んだ後もガンダムは作られるだろう。
その当事者として、富野監督は自分以外の人が自分が死んだ後に続編やリメイクを作ることをどう認識しているのか、機会があれば聞けたらいいなあ、と思っていた。
で、今回のインタビュー
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――アムロやシャアの声が交代したとき、それはフェイクになってしまうのでしょうか?
富野 そういう考え方もあるでしょうけれども、受け手側の一般大衆というのはそれほどバカではないんですよ。
富野 もし古谷徹や池田秀一という人が亡くなってしまったあとで、他の人がその役を演じた瞬間、アムロやシャアの人気というものは消えます。受け手というのはある意味でとても冷たいんです。それは自分の問題ではないから「アムロじゃないじゃん。シャアじゃないよ、こんなの」で終わってしまう
――たとえば、『ドラえもん』のように声優を全員変更することで成立する作品がありますが、それについてはどうお考えですか?
富野 なぜそんなことを聞くのか僕にはよくわからないけれど、アニメの便利なことをひとつ話します。絵空事であるからこそ、声優のキャスティングが変わっても何とか凌げるかもしれないということです。
アニメという記号は便利なものだから、伝達媒体としてかなり能力を持ったものであるとも言えます。
――そういう性能を持つアニメは受け継がれるべき古典にならないのでしょうか?
富野 質の問題なんです。質がそれなりに評価されているものであれば、50~60年はもつだろうねという言い方はできるだろうし、50年もてば100年はもつだろうとも思えるから「固定化」はします。
富野 アムロは継続していかないです。なぜなら、このあとアムロ・レイを作っていける作り手がいないもの。作品というのは、それぞれ独立している固有のものなんです。似たようなものを作ってもそれは全部コピーです。
富野 『ロミオとジュリエット』でも話したけれど、何度も映画化されても原作は変えられないし、「ロミオとジュリエット」というタイトルを出した瞬間から、シェイクスピアの枠組みからは外れない。そういう力を持つものを「固有のもの」という言い方をしています。
富野 アムロとシャアは『機動戦士ガンダム』の中に出てくるキャラクターでしかなくて、それの継承なんていうのはあり得ない。ふたりが死んでしまえば、アムロもシャアも復活はないんです。
>RT
— シャア専用ブログ (@Char_Tweet) 2023年4月28日
>古谷 今回のインタビューで僕がとても感銘を受けたのは、富野監督が「アムロ・レイ=古谷徹である」と言い切ってくださったことです。>RT
— シャア専用ブログ (@Char_Tweet) 2023年4月28日
>古谷 僕と池田秀一さんがアムロやシャアの役を交代することはあり得ない、そうなったらアムロとシャアというキャラクターは終わりですというお言葉をいただけたことは本当にうれしく思います。
時代性も世情もあり、Febriのインタビュアーの人の勘がいいということもあるのだろうが。
僕がちょうど最近、疑問に思っていた「死後も続くコンテンツの生みの親としての意見」が聞けた。(ゴルゴ13のさいとうたかを先生の話も少々)
「おかしいな、なぜこんな疑問の答えを監督がしてくれるんだろう。誰にも話したことないのに」
「相性・・・というのかな。合うのだろう」
僕の基底現実の家庭は崩壊しているのだけど、富野監督は僕にとってバロン・マクシミリアンのような存在なのかもしれない。
いや、富野監督は全然身内ではないし、富野監督と共作したことはない。単に富野作品が面白いので普通に面白がっているだけの、ただの視聴者です。
富野監督の喜寿に花を贈ったり、傘寿におこめ券を贈ったのも単なる偉人への朝貢に過ぎないし、アイドルやユーチューバーのファンの方がたくさん金を贈っていると思うし、全然他人ですけど。
でも、なぜか富野監督の作品や文章や言葉を見聞きすると元気が出てくるなぁ!ロラン!
なんか、富野監督と出崎統監督だけは生理的なリズムというか、快楽中枢というか、そういうのに異様に合致していて、他のアニメや漫画や書籍では味わえない特有の感覚がする。何故かはわからない。
インタビュー記事や対談や講演会も何度も見聞きすることによって、最近はわざわざ質問をぶつけなくても、富野監督の言葉の端々から答えを読み取れるようになってきた。
いや、別にニュータイプになったとかそこまでうぬぼれるつもりはないんですけど。
富野監督は偶然なのか、インタビューやエッセィだけでなく作品の出来も含めて僕の期待に応えてくれる確率が高く、信者というより、信用している。
まあ、僕は脳内妹を別にしたら、コミュニケーションが下手で無職で家庭が崩壊しているので、エッセイやインタビューで別に言わんでもいいことまで自分で暴露する富野監督は、友人や親よりもどんな人生を送ってきたどんな人間なのか知っている。そういう、慣れはあると思う。
やっぱり富野監督は僕にとって、(僕が勝手に思ってるだけだけど)特殊な存在だなあ。
- ほしい物リスト。
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↑グダちん用
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