前回のあらすじ
人から単行本を借りたりジャンプのアプリを入れたりして、チェンソーマンの連載最新話に追いついた。
tenfingers.hatenablog.com
こことか、僕よりもジャンプとかに詳しいチェンソーマン考察ブログがあるけど、僕は幾原邦彦のオタクというのがあるので、書く。ていうか、ここは僕のチラシの裏なので思いついたら書く。(藤本タツキ先生が目指すという「邪悪なフリクリ」というのは、まず僕のフリクリへの理解が足りてないのでよくわかってない)
ネタバレをする前に言っておくと、「チェンソーマンの世界には愛がない」「特に親や社会や大人など上位存在からの無条件の愛情がない」「神は死んだ」「みんな家族や出自が歪んでいる」「愛情を抱いたキャラクターは、それが罰であるかのように死ぬ」「天使ですら悪魔」「無条件の神様の愛情はなく、代わりにあるのは悪魔の”契約”」
幾原邦彦作品に通じる!
以下、ネタバレ
というわけで今までなんのためにいたのかわからないほど能力もポジションも謎だったコベニちゃんの両親が毒親だと明かされました。
まあ、9人姉妹で優秀な兄を大学にやるためにコベニちゃんの進路は風俗かデビルハンターの二択だったという序盤の自己紹介でも最悪な家庭だったということは匂わされていた。
そして、今回、コベニちゃんはラスボスっぽい(最終局面って煽り文句がついてたし)マキマさんに殺される状況になったのに、そのおかげで「両親と離れる理由ができてよかった」という。
両親は普通は子供に愛情を注ぐ者だし、子供はそれを期待するけど、それが得られない上に過酷な扱いをされると、死ぬよりもつらい気持ちになる。
児童虐待と親への復讐をテーマにした幾原邦彦の「ノケモノと花嫁」に似た雰囲気だ。
愛情が(極稀な命がけの奇跡以外には)なく、契約しかないというのも、「少女革命ウテナ」や「輪るピングドラム」のようだ。
序盤のデンジはクソ親の死のケツ拭きのために臓器を売ったりヤクザの下働きをして「借金返済の契約」に縛られていた。マキマさんが記憶を蘇らせなくても、デンジは親への罪悪感とか愛情があって、ヤクザに使われていたのかもしれない。(頑張れば逃げれたかもしれない)
レゼもこどもブロイラーのようなところで育った少女兵だ。
子供から親への愛情があっても、親からは愛情がなく、大人の社会(都会)では「契約」にしかならないという。これも「ノケモノと花嫁」的だ。子供は自分が殺されても親を愛していたのに。
- 愛情はキャラを殺す
ポチタはデンジからの愛情を受けて、デンジの夢が好きになり「心臓を与える」契約で、デンジをチェンソーマンにして、ポチタ自身はほぼ消滅した(セリフがなくなった)。
パワーはニャーコが好きになったので死にかけた。
姫野先輩はアキが好きになったので消滅した。(消滅した後に愛を伝えるのはアリ)
サムライソードはジジイが好きだったので変身した(生死不明)(マキマが使った再生武器人間は同じ個体?)
親族への拷問はデビルハンターを殺す。
荒井ヒロカズはコベニをかばって死んだ。
レゼはデンジへの好意を抱いた瞬間に処分された。
(黒瀬と天童はマキマのことを喋ろうとした瞬間に三兄弟にやられた)
トーリカは師匠に敬愛を抱いたので人形の悪魔にされた。
人形使いは愛するサンタクロースのために死んだ。
ビームはチェンソー様を生き返らせた瞬間にばらばらになった。
クァンシは好きな女のために死んだ。
早川アキはデンジとパワーの幸せを願ったのでマキマと契約する流れになった。
(天使の悪魔は好きだった人のことを思い出したが・・・)
銃の魔人は家族への愛情を最後に思い出した。
パワーは友だちのデンジに命を捧げた。
そして、この物語はそもそも最初に、デンジがマキマを好きになったのでこうなってしまった。
愛情を抱いたキャラクターは、相手を助ける代償として自分が消滅する。これも幾原邦彦作品に通じるものがある。
最強のデビルハンター岸辺の「何も見たくねえ」は愛情なのか、狂気なのか?
彼は今週、デンジとコベニを助けようとしているが、愛情なのか、マキマを殺すために利用するだけなのか?
そして、テレビからチェンソーマンへの愛がほとばしる。チェンソーマンへの恐怖が和らいだらチェンソーマンは弱くなるかもしれないが、デンジは自信を取り戻すか?
- 愛情は契約に勝てるのか
悪魔だらけのチェンソーマンの作中の世界では親や神の無償の愛情はない。(モブキャラは家族のために行動しているけど、すぐ殺される)
そして、愛情を抱いたキャラクターは、それが罰であるかのように死ぬ。
また、今回、絶望したデンジは「生き延びても、犬みてえに誰かの言いなりになって(契約して)暮らしてくんだろうな」と愚痴を言うが、毒親に利用される家庭で育ったコベニちゃんは「それが普通でしょ?」と大ゴマで言って、「普通の人生」にあこがれていたデンジにショックを与える。
神のない世界で、弱いものは愛されず、愛そうとすると死に、冷酷な契約で利用され支配される世界。
チェンソーマンの暴力パワーは最終局面でそういう世界観と、どう立ち向かっていくのだろうか?
- 自己責任社会の若者へ
大人は子供を愛さない。神は死んだ。弱いものは契約で支配されるだけ。
これは意外と、今日の若者を取り巻くテーマなのかもしれない。デンジはブラック労働をしているし。ブラック労働はまだマシで、そこから落ちたらヤクザの道具にしか成れない。
(鬼滅の刃のマッチョイズムも若者の命がけのブラック労働に近いから人気を博したのかもしれない。テングマンが出たところまでしか読んでないけど)
愛情は他人につけこまれる。
チェンソーマン、現代社会の若者に希望を与える作品になるか、絶望を突きつけて終わるのか。
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借金30万円を後10ヶ月で返済するので、食料品が一番節約になる。嗜好品は我慢しますが、食料はないと死ぬので。
でもチェンソーマンのネタバレについていくためにジャンプ+アプリで単行本になってないバックナンバーを数千円で買ってしまった。ワンピースとかも読んだほうがいいのかな。時間が…。
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