玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

書きたい批評と受ける批評は別(アンビバレンツ!)

 コロナウィルス感染症の前から基本的に鍼治療と精神科と酒と納豆の買い物以外には外出しない生活なのだが。


 ゴールデンウィーク明けに鍼治療に行ってきた。まあ、腰痛もあるにはあるが、基本的にはうつ病と自律神経失調に対する治療ですが。
 そういうわけで、元気度を測るために「最近、どれくらい記事を書いてます?」と聞かれるのだが。


 一週間前の批評文の書き方に関する記事以降、ちょっと書いてなくてウマ娘をしていた。
nuryouguda.hatenablog.com


 僕はアニメ批評文を同人誌に載せたり、アニメ批評界隈の人に評価されることは基本的に目的にはしていない。(誘われたら寄稿するけど)
 僕のアニメ解説文は僕自身がアニメを深く理解して楽しむためにやっているということである。


 と、そういうふうな記事を書いたらそこそこブックマークが伸びて、はてなブログランキングに載った。わーい。
blog.hatenablog.com


 コンスタントにランクインしたらアクセス数が増えそうでいいですね。まあ、それはそれとして、アクセスが伸びる記事と伸びない記事がある。
 実際のところ、前述の批評の書き方も「人間関係や政治的な評価を目的にしてアニメ批評を書く、というてらまっとさんの意見には反対である」という政治的、人間関係的な面もある。
 政治的な書き方には反対だ、というのも政治的な態度なのである。


 ちょっと、そういうアニメ批評の書き方について、局所的にインターネットが先週、盛り上がったようだ。


 まあ、僕の書き方はそこそこ習い性になっていて、今更他の人の批評の書き方を読んでもそれほど参考にならないのだが。(アマチュア批評家の記事より、ちゃんとした批評についての考察の本を読んだ方がいい気がするし)
映画批評のリテラシー―必読本の読み方/批評の書き方 (Cine Lesson)
書評の書き方: ベストセラーを作るブックレビュー (RJ Books)



 てらまっとさんの「仮想敵を作って、それに反論する形式が良い」という意見には僕は反対であるが、実はそれは「受ける批評の書き方」としては正解なのである。
 もっとぶっちゃけてしまえば、褒める批評より、けなす文章のほうが注目されやすいし、はてなブックマークが付きやすい。僕ははてなブックマークはあまり主軸にせず、メモや備忘録程度に使っているのだが。


 実例をあげると、機動戦士クロスボーン・ガンダム DUSTの最終巻を絶賛した記事はあまりブックマークが伸びなかった。
nuryouguda.hatenablog.com


 逆に、「シン・エヴァンゲリオン劇場版、面白くなかった」という記事は賛否両論、どちらのブックマークも集まって自己新記録で伸びた。
nuryouguda.hatenablog.com


 そもそも、僕の被はてなブックマーク上位の記事は、基本的にけなしたり、呪ったりするネガティブな文章です。(まあ、僕の性格は最悪だからな…)

b.hatena.ne.jp
シンエヴァンゲリオン 劇場版 の葬式で死んだと思った点
ラブライブ!に倒産を救われた赤字企業KLabの株主総会でリアル廃校メソッド泣き落とし!
戦争加害者遺族の立場からこの世界の片隅にを見た
純と愛とテレビと政治を嫌悪する
無職だけど人の金で #天気の子 を見た狂気の子【完結編】
精神科で同人の はるしにゃんの自殺を相談し、社会を憎む
かぐや姫の物語 感想その二 高畑勲監督は原作の良さを自己中心的に曲げたダメ映画
アニメと社会に母親を自殺させられた
富野監督が気づかない、Gレコが売れずジオンが売れる驚きの理由
風立ちぬ は実在の人物を被った宮崎駿の自伝的理想との感想その1

 などなど、ブックマーク数上位の記事は批判的であったり、呪っていたり悪口だったりする。


 褒めている記事で上位なのは

nuryouguda.hatenablog.com

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 などです。まあ、だいたい褒めている記事でブックマークが伸びるのは、その時時のヒットアニメのブームのタイミングに乗っかる感じで、やはり僕の純粋な筆力ではない。(ザンボット3の記事も2012年にまどマギと比較した感じだし)


 この程度の自己分析はできる。


 なので、僕が本当に読んで欲しいGのレコンギスタなど富野由悠季作品の感想や解説は、それほどブックマークが伸びていない。


 褒めていたり、淡々と分析する記事は反響が薄いのである。


 まあ、無言で読んでくれている人とはてなブックマークを付ける人とでは、微妙に読者としての性質が違うのだが。(少年ジャンプのアンケートを送る読者と読んでるだけの読者の違いみたいな)


 ブックマークをつけなくても、欲しい物リストからプレゼントをくれるような読者の人もいる。



 ブログだけでなく、新聞やネットメディアやTVバラエティやワイドショーを見ても分かるし、あきまんこと安田朗さんが言っていることでもあるし、ぼくが京都大学基礎物理学研究所湯川秀樹記念館で働いていたときに上司に「観光客にはノーベル賞の物理学理論の説明より湯川秀樹の属人的エピソードを紹介しろ」と言われたことでもあるのだが。
 人間は人間に対する興味が一番強い。社会性動物だからね。


 なので、富野由悠季監督がこの間、林修のアニメの特番に出たときも、彼の絵コンテの技術や哲学ではなく「エヴァと鬼滅を潰す!」というエネルギッシュなおじいさん、という属人的な紹介をされたのである。


 そういうわけで、「僕は別にネットバトルをしたいわけじゃなくてアニメの考察をしたいんだけど、結果的にはネットバトルっぽい記事が伸びて、作品を分析した記事は伸びない。そういう読者環境は、嫌だねえ。」と鍼治療を受けながら先生に愚痴ったわけです。



 で、鍼治療の先生も色んな人の愚痴を聞いてるので「やっぱり大抵の読者の人は自分の文句とか反対意見は、自分ではなかなか言えないし書く場所もないし、意見をまとめる能力も低いので、けなしたり、作品の欠点を明記する文章に反応するのでしょう」と回答した。


 たしかに、シン・エヴァンゲリオン劇場版があんまり響かなかったという感想はブックマークやコメントで「自分でもやもやしていた不満点をまとめてくれていた」と複数の人に言われている。同時に、僕がシン・エヴァンゲリオンをけなしている記事に対して僕に対して人格攻撃するコメントも多かった。
 僕のシン・エヴァンゲリオンの記事は悪口の部分だけ抜書きされてまとめサイトに転載された。
 まとめサイトに転載される程度には影響力のある文章だったのだろう。
 それに対して僕が怒って法的措置をした、という揉め事の記事もたくさんのブックマークを集めた。

note.com


 現実という辛い環境で生きている読者というのは基本的にイライラしていて不満や悪口のはけ口を求めていて、かと言って自分のブログなどで自分の責任において悪口を書く度胸もなく、匿名で悪口を書いて、他人の失敗や揉め事を喜ぶような人間が多いのであろう。
 TVバラエティとかTwitterの政治アカウントとかも他人の失敗を喜ぶように出来ている。


 また、事実ベースで褒める記事は単体で完結しているので読者も「ふーん。そうなんだ」としか思わないけど、攻撃的にけなしたり呪ったり他の意見に反対する文章は「私もそう思う!」という人と「私はそう思わない!」という人の賛否両論の反応を引き出すことができる。揉め事は反応を引き出しやすい。


 僕はアニメの考察を深める批評文章を書きたい。しかし、読者という一般大衆が喜び反応するのは僕が雑に書いたり、怒りに任せて書いた悪口や揉め事の記事です。
 本当に、人間というのはどうしようもないなって思う。


 なので、僕は作品と僕との対話のような批評を書きたいのだが。人間の本能は作品や物理学などの対物分析より、対人関係の方に興味を持つように出来ている。だから、てらまっとさんが言うような「仮想敵に対する反論」というのは僕はあまり好きな書き方ではないが、揉め事、敵対関係を好む、コロッセオの観客のような読者たちには受けるのである。



 しかし、どうしようもない人間社会に向けて文章を書き、発表し、それなりにアクセスも欲しい僕なので、タイトルとかでは政治的な揉め事っぽいワードのチョイスをしてアクセス稼ぎをするのである。私はアコギなことをやっている。


 まあ、氷川竜介先生とか藤津亮太さんとか、ある意味作品の広報も兼ねていらっしゃるプロの批評家は僕のような軽率な批判は書きにくい。逆に、岡田斗司夫さんや宇野常寛さんは(僕は最近読んでないけど。益がないので)、毒舌批評を求められている。
 なので、僕はアマチュアで業界の外のオタクとして、好き勝手に褒めたりけなしたり、どっちも書くけど。


 でも、経験則として、褒める記事よりは、欠点をあげつらっている記事のほうが伸びがいい。嫌な世の中だ。


 そう、グノーシス派の僕の仮想敵は結局の所、美点よりも汚点を喜ぶ愚民どもであり、さらに言えばこのような不完全でゴミのような世界を作った邪悪なる創造神デミウルゴスなのであるが。
 しかし、一個の人間が文章を書いた程度で世界を革命してアブラクサスに向けて飛翔するのは無理であり、世界は永遠にゴミのまま変わらないのであるから、妄想の世界で世捨て人になるしかないんだな。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(セル版)


 ただ、最近は劇場版閃光のハサウェイの宣伝の、逆襲のシャアのYou Tube配信に乗っかったからかもしれないけど、作品に対して違う角度での分析を提示する、という記事はそこそこの評価を受けた。
nuryouguda.hatenablog.com
 まあ、これも「クェスとハサウェイはウザいガキ」というガンダムファンの定説を仮想敵にして、それに対する反論をした、というふうにも読めるのだが。
 とりあえず、作品や事象を色々と見て、新しい視点や発見をしていくのは学術論文の書き方のある種の定形でもある。新しい視点や発見は作品や事象の解像度を高めるので、それはいい。


 でも、やっぱり主眼は作品読解であって、過去の視点や他の批評家を批判してマウント合戦をするのを目的にはしたくないなあ、とは思うのだけど。分析よりも他の意見への反論や批評界隈や学会での権力闘争を主軸にする人も多いのかなあ。
 でも、やっぱり人間は作品読解や本質よりも、人間同士の揉め事を喜ぶものなのかもねえ。嫌だねえ。サルだからなあ。
漫画 サピエンス全史 人類の誕生編
『サピエンス全史』をどう読むか



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