玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE 第2巻感想

機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE(2) (角川コミックス・エース)

  • 前回のあらすじ

nuryouguda.hatenablog.com

  • 感想

 やはり今回も萬画が上手い。面白い。
 熟練の技を感じるというか、ピースをはめていくというか、落語の三題噺のようにお題に沿ってストーリーをくみ上げていくという感じ。



・女スパイ潜入編
 強化人間の女スパイと、支配と自由の話かな。


 いろいろな立場の人がいろいろな手段で支配されたり命令されたり、それにあらがったりする。
 また「女スパイやお姫さまならそうするだろう」という行動のテンプレートとキャラクターの自由意志のバランスでストーリーにアップダウンが有ったり戦闘にスリルが生まれたりする。


 クロスボーン・ガンダムシリーズを書いてきた長谷川裕一先生がキャラクターの特性を理解したうえで、本編とは別の再解釈をしている。でもキャラクターを熟知しているので行動原理がぶれていない。


 人型モビルスーツが変形したモビルアーマーを武器のように支配して共闘するというのもなかなか見たことのない表現で面白かった。見たことのない表現だが、たしかにこのキャラとこのメカなら、こうするだろう、という納得感のある表現だった。


 それに自由意志というテーマは機動戦士クロスボーン・ガンダム鋼鉄の7人のラストで決定した作品のテーマなので、長いシリーズだし、スピンオフの短編集でも、それはぶれない。



・木星軌道レース
 宇宙に詳しい長谷川裕一先生らしい木星軌道上の高速飛行中のモビルスーツの一対一の決闘。真空なので超高速でも空気抵抗はなく、静か。
 これのテーマはクロスボーン・ガンダムシリーズにいろいろとかかわっている「光の翼」と、「支配ではなく期待」と「親子」かなあ。
 長谷川裕一先生的にはやっぱり前作のクロスボーン・ガンダムX-11でのイオを掘り下げたかったんだろうなあとか。ニコルもDUST本編では割とサポート役だったし。
(あと、ゴトラタン戦法を使ってみたかったのかな?)


 で、ニコルとカーティスは親子でも違う人物で、違うことを目的にしているけど「自分の意志で進む」というところは通底しており。


 あと、変な試作兵器の欠陥部分をうまく使ってみるのもクロスボーン・ガンダムらしい。



・マックの恋物語
 いや、モビルスーツには冷暖房あるだろ。というのをあえて無視した話。この時代の北米が雪深いのはよくわからないが気候変動のせいだろうか。
 テーマは「婚姻という契約や家族」と「胸の穴」と「モテない脇役の意地」かなあ。あとジュブナイル的なクロスボーン・ガンダムには割と珍しい肉体関係。


 機動戦士クロスボーン・ガンダムDUSTは王たちの物語だったけど、王ではない銭ゲバのようなモテない不細工で、いまいち才能や度胸にも恵まれてない脇役でも未来に向かって進む、みたいな?やっぱりカッコいい英雄だけで歴史が紡がれるのではなく、宇宙戦国時代と言うグダグダな時代では脇役たちもがんばってる、というのを人間賛歌として補完しておきたかったのかなあって。


 というわけで、各話ごとのテーマ設定もあるんだけど、クロスボーン・ガンダムらしさがぶれてないのがすごいなあという感想でした。


 というか、お題に合わせたSF短編なので、ガンダムと言うより藤子・F・不二雄先生のSF短編集のような感触もある。

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